イネホールクロップサイレージの簡易品質評価及び成分推定法

タイトル イネホールクロップサイレージの簡易品質評価及び成分推定法
担当機関 秋田畜試
研究期間 2002~2004
研究担当者 上原子俊之
廣田千秋(青森農林総研畜試)
佐藤琢哉
八槻三千代(秋田畜試)
柳田和弘
佐藤茂次(福島畜試)
発行年度 2004
要約 調製条件と官能評価結果からイネホールクロップサイレージの品質を簡易に評価できる。また、近赤外分析法において、飼料成分や栄養価を実用的な精度で推定できる。
背景・ねらい 転作田を活用した飼料自給率の向上と耕畜連携による資源循環型農業の推進に向け、飼料イネの栽培・利用が拡大傾向にある。飼料イネはホールクロップサイレージ(イネWCS)として利用されるが、流通及び家畜への給与を考慮すると、品質や飼料成分、栄養価を簡易でかつ迅速に把握することが必要となる。そこで、調製条件や官能評価による簡易品質評価法を作成するとともに、近赤外分析法(NIRS)による飼料成分及び栄養価の測定法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 2002年及び2003年に青森県、秋田県、福島県の3県で調製されたイネWCS300点のうち、開封時の簡易品質評価法では、尿素添加したものを除く292点を用い、調製条件、官能評価の各項目毎にTDN含量、V-score等の化学分析値との関係を検討する。また、検量線作成用として150点、検量線検定用として65点を供試する。
  2. 調製条件では生育ステージがTDN含量と、水分含量がV-scoreとそれぞれ関連が深く、品質を評価する上ではこれら2項目と被雨の有無を組み合わせることが適当である(表1、表2)。また、官能による評価項目ではTDN含量及び発酵品質に及ぼす影響は、臭気、色、発カビの程度が大きい。
  3. 簡易品質評価基準(簡易品質評価表)は、調製条件を加算法、官能評価を減点法とし、総合評価として、A(80点以上)、B(60点以上80点未満)、C(60未満)の3種にランク付けする(表3)。
  4. 4. 近赤外分析法による粗蛋白質(CP)、細胞壁物質(OCW)、細胞内容物(OCC)、低消化性繊
    維(Ob)、可消化養分総量(TDN)の推定値は、化学分析値との相関係数(r)が、0.89~0.95であり、いずれも高い相関が得られ、信頼性においても「B」にランクされ、実用的な精度である(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. イネWCSの流通場面における価格形成の参考に利用できる。
  2. 近赤外分析法によるイネWCS用検量線は、東北各県へ移設することにより、成分含量、TDNの推定に活用できる。
  3. TDN値については、今後精度の高い推定式が作成されれば、変更する必要がある。
図表1 232188-1.gif
図表2 232188-2.gif
図表3 232188-3.gif
図表4 232188-4.gif
カテゴリ 近赤外分析 評価基準 評価法

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