タイトル |
岩手県における極早生大豆「ユキホマレ」の採用 |
担当機関 |
岩手農研セ |
研究期間 |
1999~2004 |
研究担当者 |
門間剛
沼田聡
藤田智美
寺田道一
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発行年度 |
2004 |
要約 |
大豆品種「ユキホマレ」は味噌、煮豆、納豆適性が高く、極早生で岩手県南部での小麦収穫後の極晩播栽培に適する。
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キーワード |
極早生、ダイズ、ユキホマレ
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背景・ねらい |
早生大豆の県奨励品種「ワセスズナリ」は、県南部では小麦収穫後の1年2作栽培が可能であるが、実需者から用途毎の加工適性に優れる品種が求められる中、加工適性が低いなど品質が劣ることから普及していない。 このため、栽培特性、加工適性に優れた極早生品種を選定し、県南部における麦後栽培への導入を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 「ユキホマレ」は平成2年に北海道立十勝農業試験場においてセンチュウ抵抗性及び難裂莢性の「十系783号」を母、センチュウ抵抗性の「十系780号」を父として人工交配を行い、それ以降、選抜、固定を図り育成した品種である。
- 開花期は「ワセスズナリ」より4日早く、成熟期は「ワセスズナリ」より8早い(表1)。
- 主茎長は「ワセスズナリ」より短く、倒伏し難い(表1)。
- 粒大は「ワセスズナリ」より明らかに大きく、「スズカリ」並である(表1)。
- 外観品質は標準播種期でやや劣るが、極晩播では「ワセスズナリ」並である。(表1)。
- 7月上中旬播種でも10月上、中旬に成熟期に達することから、県南部での小麦収穫後の極晩播栽培が可能である(表1,2)。
- 県南部での極晩播栽培において、栽植密度33.3本/m2の狭畦密植栽培が適する(表2)。
- 味噌加工適性は高く(表3)、納豆加工適性も「スズカリ」より優る(表4)。また、煮豆は重量増加比が大きく、「スズカリ」や「ナンブシロメ」より軟らかい(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「ワセスズナリ」に替えて準奨励品種に採用する予定であり、紫波町以南の県中南部での麦後栽培で50ha程度の普及が見込まれる。
- ダイズモザイクウイルスの抵抗性は不明であるが、抵抗性を有しないと考えられることから、アブラムシ防除は通常通り行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
加工適性
小麦
大豆
抵抗性
播種
品種
防除
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