オウトウ「佐藤錦」の細霧冷房による着色向上

タイトル オウトウ「佐藤錦」の細霧冷房による着色向上
担当機関 山形園試
研究期間 2002~2004
研究担当者 佐々木恵美
高橋和博
発行年度 2004
要約 オウトウ「佐藤錦」での加温施設栽培における高温対策として、着色始期から細霧冷房をおこなうことにより、施設内気温が低下し、着色阻害の軽減を図ることが出来る。
キーワード オウトウ、佐藤錦、加温施設、細霧冷房、着色向上
背景・ねらい オウトウ「佐藤錦」の加温栽培における着色始期以降の昼温は25℃前後が適温とされており、30℃以上の高温条件では着色阻害が問題となる。そこで、細霧冷房による施設内気温の低下効果と効率的な使用方法、果実品質に及ぼす影響ついて明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. オウトウ「佐藤錦」の収穫始期から30℃程度の施設内温度を細霧冷房により3℃程度(細霧を一定間隔で断続的に噴霧した時の平均:以下、稼働時平均)低下させたことにより、収穫盛期における着色程度が10%程度向上したことから、着色阻害を軽減できる(表1)。
  2. 間口10m、棟高6m程度の加温施設において、30℃以上の高温時に施設内気温を3℃程度(稼動時平均)低下させるためには、気象条件等にもよるが500kg/h・10a程度の噴霧水量が必要である。(表2、図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 高温時のみの噴霧で裂果や病害が増加することは少ないが、曇天時や夕方の使用で裂果が見られた試験例があるので、噴霧開始温度は25℃以上とし、果実の濡れが生じないように確認しながら噴霧時間帯、噴霧水量及び換気程度(天窓、サイド換気窓の開閉)を調整する。
  2. 試験に供試した設備はモーター式動力噴霧器利用加圧型細霧冷房装置である(使用圧35~50㎏/cm2、ノズル孔径0.3mm)。
  3. 試験に供試した施設は間口7m奥行き14m棟高4.5m、ノズル中央1列配置1.5m間隔(表1データ山形園試圃場)、間口9+11m、奥行き57m棟高6m、各棟ノズル中央一列配置1.72m、1.65m間隔(表2及び図1、現地圃場連棟ハウス)である。
  4. 設備は配管、動噴、制御板等を含め80万円/10a程度である。他の方式の設備では効果や価格が異なる場合がある。
  5. 技術の適用範囲としては、施設形状は加温型施設において、品種では「佐藤錦」、「紅秀峰」など高温により着色が阻害される品種に適用できる。
図表1 232220-1.gif
図表2 232220-2.gif
図表3 232220-3.gif
カテゴリ おうとう 高温対策 施設栽培 品種

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