イムノアッセイによる簡易農薬残留分析

タイトル イムノアッセイによる簡易農薬残留分析
担当機関 岩手県農業研究センター
研究期間 2003~2004
研究担当者 梶田弘子
菅原隆志(岩手県環境保健研究セ)
築地邦晃(岩手農研)
中野亜弓
畠山えり子
発行年度 2004
要約 イムノアッセイが適用可能な作物・農薬の組み合わせを11件確認した。これらの組み合わせでは、残留基準値に対し1/20~1/1000のレベルでの定量が可能である。なお、TPN・りんごの組み合わせでは、精度を高めるため、抽出後にHLBミニカラムによる精製を行う。
背景・ねらい 近年、減農薬栽培の普及や消費者の安心・安全志向に対応して、生産者側が自ら残留農薬分析データを揃えたいという希望が出されているが、公定法による残留農薬分析は、分析日数がかかる上、高額な分析装置が必要であり、現場での実施は困難である。イムノアッセイは、迅速・簡便な測定が可能であるが、作物・農薬の組み合わせにより、測定の感度が異なるため、個別に適用性を確認する必要がある。そこで、本分析法の適用性を明らかにするとともに、本分析法の生産現場等での活用法を提示する。
成果の内容・特徴
  1. 1. 下記11件の農薬・作物の組み合わせにおけるイムノアッセイ分析は、機器分析での許容範囲に近い添加回収率が得られ、残留基準値に対し1/20~1/1000のレベルでの定量が可能である(表1、図1)。
    (1) MEP・玄米 (2)MEP・りんご (3)アセタミプリド・りんご (4)アセタミプリド・きゅうり
    (5)アセタミプリド・トマト (6)アセタミプリド・ピーマン (7)イプロジオン・りんご
    (8)TPN・りんご (9)TPN・きゅうり (10)TPN・トマト (11)TPN・ピーマン
  2. TPN・りんごの分析においては、精度を高めるため、抽出後にHLBミニカラムによる精製を行う(表2)。本法は、機器による多成分一斉分析では精度に難のある場合があることから、その補完手法として利用価値が高い(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 作物・農薬の組み合わせにより測定の感度が異なるため、適用性が未確認な組み合わせについては、標準添加による検量線作成、添加回収率の確認等を行う必要がある。
  2. 分析操作の不慣れ等により、回収率が50%程度となる場合もあることから、分析値が残留基準値の1/2を超えた場合は、公定法により再分析を行い確認することが望ましい。
  3. イムノアッセイは、生産者団体等が農産物の安全性を確認するとともに、農薬適正使用指導に活用できる。また、分析機関が、農薬残留検査を緊急的に行う必要がある場合の分析手法としても活用できる。
図表1 232256-1.gif
図表2 232256-2.gif
図表3 232256-3.gif
図表4 232256-4.gif
カテゴリ 病害虫 きゅうり トマト 農薬 ピーマン りんご

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