オオトゲシラホシカメムシ集合フェロモンの単離と誘引現象

タイトル オオトゲシラホシカメムシ集合フェロモンの単離と誘引現象
担当機関 山形農試
研究期間 2002~2004
研究担当者 滝田雅美
発行年度 2004
要約 オオトゲシラホシカメムシ雄成虫が放出し、同種他個体を誘引する物質(集合フェロモン)は、分子式C15H24Oの化合物と推定され、1 齢幼虫を除いた全ステージを誘引する。
キーワード 集合フェロモン、斑点米カメムシ、オオトゲシラホシカメムシ、イネ
背景・ねらい 山形県における斑点米カメムシ類の主要種の一つであるオオトゲシラホシカメムシは、歩行性で地際に生息しているためすくい取り効率が低く、予察が困難である。そこで本種の誘引現象を明らかにし、予察等への応用の可能性を検討する。ここでは独立行政法人農業環境技術研究所の協力を受け、雄成虫から抽出した誘引物質の構造の推定を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 16L-8D、25℃条件下で累代飼育し、羽化後10
    日以上を経過したオオトゲシラホシカメムシ雄成虫から誘引物質を単離した。その捕集・精製方法は次のとおりである。
    1. 雄成虫が空気中に放出した物質を吸着剤に吸着させ、アセトンで抽出する。
    2. 抽出物を濾過後、HPLC分取による粗精製を行う。
      精製条件:充填剤:シリカゲルカラム
      溶媒:20%エーテル/ヘキサン溶液(流量 1.0ml/分)
      検出器:UV(波長:210nm)
    3. GC分取による精製で誘引物質を単離する。
      精製条件:充填剤:FFAP(0.53mmI.D.×15m)
      オーブン温度:60℃ 1 分→昇温10℃/分→210℃ 10 分
      検出器:TCD 検出器温度:210℃
      キャリアーガス:ヘリウム(流速 5ml/分)
      試料はオンカラムで導入
  2. 単離した物質(集合フェロモン)は分子式C15H24Oのテルペン系化合物で、化学式は(E)-2-methyl-6-(4-methylenebicyclo[3.1.0]hexan-1-yl)hept-2-en-1-ol と推定される(図1)。
  3. アセトンで希釈した単離物質を綿ロープに浸して誘引源とし、野外の水盤トラップ(図2)内に設置すると、単離した物質は本種の1齢幼虫を除いた全ステージを誘引する(表1)
成果の活用面・留意点
  1. 物質の合成は行っていない。
図表1 232261-1.gif
図表2 232261-2.gif
図表3 232261-3.gif
カテゴリ 斑点米カメムシ フェロモン

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