基準品種の不稔歩合平均値を用いた水稲耐冷性「極強」以上の判定手法

タイトル 基準品種の不稔歩合平均値を用いた水稲耐冷性「極強」以上の判定手法
担当機関 岩手農研セ
研究期間 1998~2005
研究担当者 田村和彦
仲條眞介
中野央子
阿部陽
木内豊
発行年度 2004
要約 耐冷性検定において、基準品種の不稔歩合平均値とそれに対応した各品種の不稔歩合との関係を複数年にわたり比較することで、明瞭な耐冷性の判定が可能である。この手法での耐冷性「極強」以上での強弱判定に必要な不稔発生レベルは、基準品種の不稔歩合平均値60以上であり、これを確保できる水温は18.3℃から18.6℃である。
キーワード イネ、耐冷性検定、不稔歩合平均値、判定手法
背景・ねらい 気象条件の厳しい本県は冷害の常襲地である。平成5年、15年の冷害年においては耐冷性「極強」品種でも障害型不稔が発生するなど、「極強」を上回る品種の育成が望まれている。そこで、「極強」を上回る耐冷性品種を育成するためには、これらの耐冷性ランクを正確に判断する基準品種設定の手法が必要である。
ここでは過去6カ年の恒温深水検定圃場での試験結果をもとに、基準品種における不稔歩合平均値から、耐冷性「極強」以上での強弱を正確に判定する不稔発生レベルとその水温条件を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 不稔歩合平均値とそれに対応する各品種の不稔歩合との関係を複数年にわたり比較することで、明瞭な耐冷性の判定が可能である(図1)。
  2. 極早生種および中生種の基準品種不稔歩合平均値60程度以上において、従来「極強」にランクされていた「中母農8号」と「中母59」は、他の「極強」品種と明確な区別ができ、「極強」以上での強弱判定が可能である(図1)。
  3. 恒温深水水槽での水温18.3℃から18.6℃において、耐冷性「極強」以上の強弱判定に必要な基準品種不稔歩合平均値60度以上を確保できる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 耐冷性ランク「極強」を上回る基準品種のランク分けに寄与する。
  2. 水温18.3℃以下については今後検討が必要である。
  3. 不稔歩合平均値85以上では多くの品種で著しく不稔となることから、85以下で判断することが望ましい。
図表1 232264-1.gif
図表2 232264-2.gif
図表3 232264-3.gif
図表4 232264-4.gif
カテゴリ 水稲 凍害 品種

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