タイトル | 寒締めで増加するホウレンソウの甘み成分はショ糖である |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
青木和彦 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 寒締めによりハウス内の温度が低下することで、ホウレンソウの乾物重当たり糖含量が顕著に増加する。その大部分はショ糖(シュークロース)の増加によるものであり、ショ糖含量の増減は収穫前の気温・地温と相関が高い。 |
キーワード | ホウレンソウ、寒締め、糖含量、ショ糖、気温、地温 |
背景・ねらい | 寒締め栽培によりホウレンソウ、コマツナなど葉菜類の糖度・品質が高まるが、その効果は収穫時期やハウスの栽培管理により大きく左右される。品質安定化技術の開発と栽培指針の確立に資するため、寒締め過程における糖成分の変化を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 側窓開放後、ホウレンソウの糖含量は葉身・葉柄(茎)とも、密閉ハウス(対照区)に比べ大きく増加する(図1)。その大部分はショ糖(シュークロース)の増加によるもので、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フラクトース)の変動は小さい。また密閉ハウスでも気温および地温の低い12月下旬以降に糖含量が増加するが、同じくショ糖の増加が主因である。ショ糖含量は生重当たりだけでなく乾物重当たりでも増加する。 2. ホウレンソウのショ糖含量は葉身・葉柄とも収穫前の日平均気温および地温と負の相関を示し、温度が低いほど増加する(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ホウレンソウの糖含量を高めるためには、収穫前のハウス内の気温・地温を低く保つ管理が有効である。 2. 今回用いた品種はまほろばであるが、糖の含量や増加割合等は品種により異なる。 3. ビタミン等、他の栄養価に対する寒締め効果についてはまだ未解明の部分があり現在解析を進めている。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | こまつな 栽培技術 品種 ほうれんそう |