果肉が濃赤色で空洞が少ない大玉スイカ新品種「あきた夏丸」

タイトル 果肉が濃赤色で空洞が少ない大玉スイカ新品種「あきた夏丸」
担当機関 秋田農試
研究期間 1996~2004
研究担当者 佐藤孝夫
椿信一
檜森靖則
発行年度 2004
要約 露地普通栽培に適した赤肉の大玉スイカ「あきた夏丸」を育成した。「あきた夏丸」の果肉は鮮明な濃赤色で空洞やうるみが発生しにくく、カット販売にも適している。また糖度が高く、肉質が硬めでシャリ感が強く、食味も優れている。
キーワード 赤肉、大玉スイカ、あきた夏丸、カット販売、シャリ感
背景・ねらい 秋田県のスイカ出荷量は全国第9位で、出荷最盛期が7月下旬となる大玉スイカ露地普通栽培が主要な作型である。この作型は疎植で、株あたりの着果数を多く必要とするため、品種の選定には、玉揃いが良く秀品率が高いといった特性が不可欠である。また、近年、核家族化の進行に伴いカット販売が主流となっているため、空洞果が発生しにくく果肉の色の鮮やかな特性も求められている。そこでこれらの条件を満たし、さらに他産地と差別化できる本県独自の大玉スイカの育成を図る。
成果の内容・特徴
  1. 「あきた夏丸」は、市販の大玉系スイカを素材にして、本県の気象条件下で選抜を繰り返して育成した固定系統間のF1である。母本(H09s-IW-1)は「鶴の泉」の後代固定系で玉揃いなど栽培上の特性に優れ、父本(H09s-TI-2)は「紅力」後代固定系で果肉色や糖度など果実品質に優れている(図1)。
  2. 立毛特性は、草勢がやや強く、節間が長く、葉も大きく、生育が旺盛である。着果は安定しており、圃場での裂果は少ない(表1)。
  3. 成熟期は開花後44日程度の中生で、収穫が遅れても変形や肉質の低下が少なく、収穫適期幅が約7日と長い(表1)。
  4. 果実外部特性は、平均果重が8.2kg程の中大玉である。果形はやや腰高で果皮が濃緑色、条斑は太く鮮明である。玉揃い良く、変形果の発生は少ない(表2、図2)。
  5. 果実内部特性は、糖度が12.7%と高く、果肉が鮮明な濃赤色で、空洞やうるみが発生せず、切断時の肉割れがほとんど見られないことから、カット販売にも適している。肉質は硬めで歯ごたえがあり、シャリ感が強く食味が優れている(表2、図2)。
  6. 日持ち性は高く、シャリ感が収穫後10日程度持続する(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 着果が安定していることや伸長性も強いことから、露地普通栽培の他に、より早い作型のトンネル整枝栽培、トンネル移動式栽培にも適する。
  2. 草勢が強めなことから、基肥施肥量は慣行より減じる。また、着果後につるの伸長が止まるため、追肥は慣行と同等とする。台木は弱勢台木を使用する。
図表1 232333-1.gif
図表2 232333-2.gif
図表3 232333-3.gif
図表4 232333-4.gif
カテゴリ 出荷調整 新品種 すいか 施肥 台木 品種 良食味

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる