タイトル |
リードカナリーグラスは低投入持続型草種として利用できる |
担当機関 |
福島畜試 |
研究期間 |
2001~2005 |
研究担当者 |
半杭真一
高萩淳子
|
発行年度 |
2005 |
要約 |
リードカナリーグラスは、化成肥料の投入水準を通常量の75%程度に低減可能であり、また、アルファルファを混播することにより、3番草の嗜好性を改善できる。大面積草地を有し、粗飼料生産に省力性と収量性を重視する経営への導入が有効であり、低投入持続型草地として位置づけ、普及を図ることが可能である。
|
キーワード |
低投入持続型草地、リードカナリーグラス、アルファルファ、混播、嗜好性、AHP
|
背景・ねらい |
雑草の侵入が少ないために、更新間隔が長く持続的な利用が見込めるリードカナリーグラス(RCG)の経営内での利用を調査した結果を分析し、施肥管理およびサイレージの嗜好性を調査して、低投入持続型草地としての位置づけの可能性を検討する。
|
成果の内容・特徴 |
- 酪農経営を調査した結果、1頭当たり延作付面積と粗飼料自給率、草種選択における省力性と収量性のウェイトの計4項目(表1)が、経営者のRCG利用の意思決定に影響している(図1)。
- 異なる施肥水準下での利用2年目の3番草刈取時の被度を図2に示す。施肥水準については有意な差はないが、草種については従来型のオーチャードグラス(OG)主体に対してRCG単播が高く維持される(P<0.01)。
- 利用2年間の収量を図3に示す。RCG単播とアルファルファ(AL)との混播の間に差は見られず(P>0.5)、施肥水準について年間の化成肥料通常投入量の75%に低減した場合に低収となる傾向があり(P=0.260)、50%に低減した場合は低収となる(P=0.045)。
- RCGにALを混播することによって、粗蛋白質含量が向上する(図4)。
- RCG単播、ALとの混播、OGの3種類のサイレージの嗜好性を調査したところ、3番草については採食傾向が一致するが、1,2番草では採食傾向が一致せず、1,2番草の嗜好性に差はない(表2)。また、ALを混播したサイレージはOGに近い嗜好性を得る。
|
成果の活用面・留意点 |
- 粗飼料生産について、省力性と収量性を重視する経営での導入が有効である。
- 更新の難しい圃場や経営において、持続的な利用を行う草種として活用できる。
- RCGにALを混播することによって、粗蛋白質含量が向上し、3番草の嗜好性を改善できる。
- 造成は、単播はRCG3kg、混播はRCG2kg+AL2kgの播種量で行い、化成肥料の通常投入量は(N-P-K)=(15-15-10)を早春に40kg、刈取後に30kgとする(10a当り)。
- RCGは、穂ばらみ期での刈取と高水分状態での調製が必要であり、可能であれば4回刈りを行って収量を維持する。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
図表5 |
 |
カテゴリ |
肥料
病害虫
アルファルファ
経営管理
雑草
施肥
乳牛
播種
|