タイトル |
岩手県における大豆「リュウホウ」の特性及び栽培法 |
担当機関 |
岩手農研 |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
井村裕一
門間剛
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発行年度 |
2005 |
要約 |
岩手県において、大豆「リュウホウ」は「スズカリ」より倒伏が多く、収量は並~やや少ないものの、豆腐への加工適性に関する評価は高い。県南部では6月上旬播種でやや疎植(7千~1万本/10a)、同中旬播種でやや密植(1万2千~1万5千本/10a)とする。
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キーワード |
ダイズ、リュウホウ、豆腐、収量、倒伏
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背景・ねらい |
岩手県において、大豆品種「リュウホウ」は奨励品種として採用されていないものの、豆腐加工適性の安定性が注目されるようになり、県内の実需者との連携による現地試験や契約栽培が行われている。 そこで、同品種の本県における特性と技術上の課題及び栽培法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 岩手県における特性
- 開花期は「スズカリ」並であり、成熟期は「スズカリ」並~3日程度早い(表1)。
- 主茎長は「スズカリ」並であり、倒伏はやや多い(表1・2)。
- 収量は「スズカリ」並~やや少ない(表1)。
- 百粒重は「スズカリ」並~やや重く、外観品質は「スズカリ」並である(表1)。
- 成分含有率は、粗蛋白質・粗脂肪が概ね「スズカリ」並、全糖がやや高い(表1)。
- もめん豆腐・絹ごし豆腐への加工適性の評価では、総合評価で「スズカリ」と同等~優り、甘み・こくがあり、渋味・えぐみが少ない(表3)。
- 岩手県(県南部)における栽培法(表4)
- 播種適期は6月上旬~中旬とし、播種密度は6月上旬播種で7千~1万本/10a、同中旬播種で1万2千~1万5千本/10aとする。
- 培土は開花期までに第1本葉節まで倒伏防止のため必ず行う。
- 収穫は、成熟期を過ぎて可能な状態になったら速やかに実施し、しわ粒(皮浮き)等の発生を回避する。
- 岩手県(県南部)における期待生育量と目標収量(表4)
- 6月上旬播種では、収量350kg/10aを目標とし、主茎長60cm前後、倒伏程度は「少」以下、総節数400節/平方メートル前後、稔実莢数700莢/平方メートル、百粒重31~32gを目指す。
- 6月中旬播種では、収量280kg/10aを目標とし、主茎長50cm前後、倒伏程度は「微」以下、総節数400節/平方メートル前後、稔実莢数600莢/平方メートル、百粒重30~31gを目指す。
- 成果の活用面
岩手県において「リュウホウ」を栽培する際の指導資料として活用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 成果の活用面
岩手県において「リュウホウ」を栽培する際の指導資料として活用できる。 - 留意点
- 目標収量は圃場枕地や収穫・選別の損失等は未考慮であり、実収量とは異なる。
- 県央部では、播種期を5月15日~6月5日とする。県北部では「スズカリ」と比較して明らかに収量が低いといったこと等から栽培には適さない(データ省略)。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工適性
しわ粒
大豆
播種
品種
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