代かきローターを用いた水田大豆の小畦立て栽培

タイトル 代かきローターを用いた水田大豆の小畦立て栽培
担当機関 岩手農研
研究期間 2005~2005
研究担当者 及川一也
井村裕一
発行年度 2005
要約 代かきローター(なたづめ)を用いた播種機で高さ10cm程度の小さな畦を立てて大豆を栽培することにより、水田での梅雨期の湿害が回避でき、初期生育が旺盛となり収量が安定する。
キーワード ダイズ、湿害対策、水田転換畑、畦立て
背景・ねらい 水田での大豆生産は、近年、排水不良、天候不順や病害虫の発生などにより収量、品質が低下し、実需者から安定供給が求められている。特に、出芽後の梅雨期の降雨による湿害から開花期前までの生育が不足し、収量低下や雑草の多発につながっている事例が多い。北陸農研では重粘土壌における対策としてアップカットロータリによる畦立て栽培技術を開発しているが、作業機の能率やコストが課題であったことから、水田や大豆作で一般的に用いられる代かきローター(なたづめ)を用いて、湿害を回避する技術の開発を行った。
成果の内容・特徴
  1. 代かきローター(なたづめ)の耕耘爪の配列を変更し、均平板を取り外し、ロータリカバーを上に吊り上げ調節することにより、浅耕しながら高さ10cmほどの畦を立てること(以下、小畦立て)ができる。幅220cmの代かきローターに3条の施肥播種機を取り付け、畦幅70cmで3条の畦を立て、施肥、播種同時作業ができる(図1)。
  2. 代かきローターと播種機は30馬力台のトラクタで牽引でき、毎時0.5~2.1kmの速度で十分な砕土性能が得られる(図2)。大豆の播種精度や出芽はロータリ播種機と同等である(表1)。
  3. 小畦立て播種栽培により、水田での大豆栽培において梅雨期の湿害が回避でき、初期生育が旺盛となることから、収量が増加する。(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 重粘土では適用性を確認していないので使用を避ける。
  2. 通常の排水対策を行うとともに、小畦立て播種作業の直前までに耕起、整地を行っておく。 また、生育が旺盛となることから、倒伏を防ぐため中耕培土を第1本葉節の下まで行う。
  3. 本試験は、転換2年目の水田転換畑において、暗渠排水管と弾丸暗渠を組み合わせた地下水位制御システム(FOEAS)により排水水位を20cmと40cmの2段階として実施した。作土の土性はLiC、土壌統は腐植質普通非アロフェン質黒ボク土である。
図表1 232365-1.gif
図表2 232365-2.gif
図表3 232365-3.gif
図表4 232365-4.gif
カテゴリ 病害虫 FOEAS 害虫 コスト 栽培技術 雑草 湿害 水田 施肥 大豆 播種

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