タイトル |
農作業安全に配慮したほ場進入路の設計留意点 |
担当機関 |
岩手農研セ |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
阿部節男
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発行年度 |
2005 |
要約 |
農業機械作業でヒヤリ体験の場所として多く挙げられる進入路は、基盤整備事業の設計の段階でほ場面と農道の高さを検討し、高低差を1m未満にする必要がある。そのことにより、進入路の安全性は高まる。
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キーワード |
農作業事故防止、進入路、高低差
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背景・ねらい |
農作業事故、特にトラクタ等による事故は、重傷事故あるいは死亡事故に占める割合が高く、防止対策については農業機械の改良や注意力の喚起を促す種々の活動が行われてきたが、農業機械の側からの対策・改良が中心であった。そこで、事故の比較的多い進入路に焦点を絞り、事故防止のために設計上留意すべき事項を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ヒヤリ体験者の多くは「進入路の構造」に原因があると考えている(図1)。
- 進入路の構造では、進入路の高低差が問題と感じている人が少なくない。
- ほ場整備直後の進入路の勾配や高低差等は、平坦地と中山間地で大きな差異は見られない(表1)。
- 現地の進入路では、安全性が高いと考えられる、高低差1m未満の位置に設置されている例は少なく、全体の半数未満である。機械作業の効率性等を重視して進入路の位置が選定されたと考えられる事例が見られる。
- 転落死亡事故は、高低差が1m以上のとき格段に増加する傾向がある(表2)ことから、進入路を設計・設置する場合、高低差は1m未満が望ましい。
- 進入路は、農道と進入するほ場との高低差が小さく、1m以上転落する可能性がない位置を選定する。また、農道の高さや勾配についても検討する必要がある(図2)。
- 農道を低くすることが出来ない場合には、進入路のための副次的道路設置を検討する。
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成果の活用面・留意点 |
- 進入路の高低差は1m未満が望ましいが、やむを得ない場合でも、安全キャブ・フレームが耐えうる高さ(強度:圧壊力)2mを考慮し、これ以上となる計画は特に避けること。
- 個別な危険回避の条件整理のためには、農業者と工事関係者の意見交換が必要である。
- 施工当初には勾配が12度以下の進入路が、農作業による切削等で、急になっている場合があった。安全性を持続するために、農業者が当初の進入路の勾配を維持することが大切である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
中山間地域
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