オオトゲシラホシカメムシ雄成虫は天敵寄生バエを誘引する

タイトル オオトゲシラホシカメムシ雄成虫は天敵寄生バエを誘引する
担当機関 山形農研セ
研究期間 2002~2004
研究担当者 滝田雅美
発行年度 2005
要約 オオトゲシラホシカメムシの天敵である寄生バエ Gymnosoma inornatum はオオトゲシラホシカメムシ雄成虫に誘引される。粗抽出物やその精製物にも寄生バエが誘引されることから、寄生バエがオオトゲシラホシカメムシの集合フェロモンをカイロモンとして利用している可能性がある。また、誘引量は少なく、5月の誘引量が最も多い。
キーワード 誘引物質、カイロモン、オオトゲシラホシカメムシ、Gymnosoma inornatum
背景・ねらい 山形県における斑点米カメムシ類の主要種のひとつであるオオトゲシラホシカメムシについて、環境負荷の少ない防除手法を探索する。ここでは、既に明らかになっているオオトゲシラホシカメムシの集合フェロモンを利用した防除手法への展開の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. オオトゲシラホシカメムシ雄成虫を誘引源とした場合、同種他個体とともに本種の天敵である寄生バエ Gymnosoma inornatum Zimin が誘引される(表1)。
  2. 寄生バエはオオトゲシラホシカメムシ雄成虫が空気中に放出する物質(粗抽出物)や、粗抽出物を精製した物質(誘引物質)にも誘引される(表2、表3)。
  3. オオトゲシラホシカメムシ雄成虫由来の粗抽出物や誘引物質は本種の集合フェロモンとして作用するとともに、寄生バエのカイロモンとして働いている可能性がある(表2、表3)
  4. オオトゲシラホシカメムシ雄成虫による寄生バエの誘引量は少なく、場所による変動も大きいが、5月の誘引量が最も多い(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 16L-8D、25度Cの条件下で累代飼育を行い、羽化10日以上を経過したオオトゲシラホシカメムシ雄成虫を誘引源とした。
  2. 寄生バエの同定は九州大学大学院嶌教授による。
  3. 過去の文献等においてオオトゲシラホシカメムシの天敵寄生バエとして知られていたマルボシヒラタバエ(旧マルボシハナバエ)Gymnosoma rotundatum は、全て Gymnosoma inornatum と推定される。
  4. 本種の集合フェロモンについては2004年成果情報(オオトゲシラホシカメムシ集合フェロモンの単離と誘引現象)を参照のこと。
図表1 232417-1.gif
図表2 232417-2.gif
図表3 232417-3.gif
図表4 232417-4.gif
カテゴリ 病害虫 斑点米カメムシ フェロモン 防除

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