タイトル |
中国雲南・ベトナム稲遺伝資源におけるいもち病圃場抵抗性育種母本の選定 |
担当機関 |
愛知農総試 |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
須藤 充
舘山元春
斉藤聖子
清野貴将(青森藤坂)
工藤 悟
寺島竹彦
城田雅毅
坂 紀邦(愛知山間)
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発行年度 |
2005 |
要約 |
中国雲南・ベトナム稲品種546品種についていもち病圃場抵抗性を検定した結果、雲南品種14品種は葉及び穂いもち抵抗性が“極強”以上、ベトナム品種60品種は葉いもち抵抗性が“極強”以上と判定され、これら品種はいもち病抵抗性品種育成のための有用な遺伝資源と考えられる。
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キーワード |
イネ,いもち病圃場抵抗性,雲南・ベトナム遺伝資源,育種母本
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背景・ねらい |
消費者の食の安全性に対する意識の高まりや、地域環境保全の取り組みの強化の両面から、稲作においても更に農薬使用量を削減することが求められている。このため、ジーンバンクに保存されている中国雲南省及びベトナムの品種・在来種を対象に、葉及び穂いもち圃場抵抗性育種の遺伝資源になる母本を探索し、環境負荷軽減型稲作に向けた品種育成に資する。
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成果の内容・特徴 |
- 中国雲南品種群
- 供試142品種中28品種が、葉及び穂いもち圃場抵抗性がともに“極強~強”以上と推定される。このうち、「芒種谷1」、「紅早谷」始め8品種がインディカ種、「冷水背子谷(1-1)」、「百天谷(6)」始め19種がジャポニカ種である。
- 中でも、「牛羊谷(2)」、「元江白谷1」始め14品種は、葉、穂ともに“極強”で陸稲「トヨハタモチ」並みの抵抗性を示し、新規のいもち病圃場抵抗性遺伝子を持つ可能性を有する母本として有望と考えられる。
- ベトナム品種群
- 供試119品種中、「GOL」、「TE NHAN」を始めとする60品種は、東北基準品種で抵抗性“強”の「こころまち」「中部45号」より高い抵抗性を示し、葉いもち圃場抵抗性が“極強”以上と推定されたことから、新規のいもち病圃場抵抗性遺伝子を持つ可能性を有する母本として有望と考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 分譲された546品種のうち、レース検定により真性抵抗性遺伝子Pia,Pii,Pik,Pik-m及び+のいずれかを持つことが明らかとなった261品種のみ圃場抵抗性を評価した。
- Pb1等、既知のいもち病圃場抵抗性遺伝子との異同は同定していない。
- 中国雲南・ベトナム品種の種子は農業生物資源ジーンバンクから入手可能である。
- 供試した品種の多くはやや純度が低く、真性抵抗性及び早晩性、稈長、穂型等の栽培特性に混種、分離が見られるので、使用の際は生育、発病に注意する必要がある。
- ベトナム品種についてはほとんどが晩生種で穂いもち圃場抵抗性を判定できなかったため、葉いもち圃場抵抗性のみの結果である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
育種
遺伝資源
いもち病
抵抗性
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
農薬
品種
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