10月どりイチゴ超促成栽培における腋果房分化促進

タイトル 10月どりイチゴ超促成栽培における腋果房分化促進
担当機関 宮城農園研
研究期間 2003~2007
研究担当者 鹿野弘
高野岩雄
岩崎泰永
発行年度 2005
要約 ‘とちおとめ’・‘さちのか’を利用したイチゴの10月どり作型では、定植後9月下旬まで60%の遮光を行うとハウス内温度、地温を1~2度C低下させることができ、第1次腋果房の花芽分化までの葉数が無処理より1~2枚減少し、花芽分化が促進される。
背景・ねらい 寒冷地の立地条件を活かし、10月からの収穫開始を目標とするイチゴの超促成栽培では、育苗中の短日処理により10月からの収穫が可能であるが、第1次腋果房の分化が大幅に遅れ、その収穫は頂果房収穫終了後70日程度開いてしまう。そこで、寒冷地の10月どり栽培において連続した出蕾を誘起するための、定植後の短日処理の有効性と、寒冷地の立地を活かした60%程度の遮光処理による腋果房の早期花芽分化方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 定植後9月下旬まで、60%の遮光資材で遮光すると、ハウス内温度が1~2度C低下する(図1)。
  2. 60%の遮光資材で遮光すると、第1次腋果房の開花までの果房間葉数を‘とちおとめ’で1.5枚、‘さちのか’で0.6枚、無処理の場合より減少させることができる。また、短日処理では‘とちおとめ’で2.3枚、‘さちのか’で2.1枚、無処理の場合より減少させることができる。(表1)。
  3. 10月どりイチゴ超促成栽培を行う場合、定植後9月下旬まで短日処理や60%の遮光資材で遮光することで第1次腋果房の花芽分化を促進でき、第1次腋果房開花日が無処理に比べて短日処理では20日程度、遮光60%処理では10日程度早まり、12月の収量が確保できる(表1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 品種は‘とちおとめ’、‘さちのか’とし、10月~11月上旬どりなどの超促成栽培で利用が可能である。
  2. 定植後の短日処理では第1次腋果房の花芽分化を早めることが可能であるが、頂果房の着花数の減少、及び第1次腋果房の花数の減少が認められること、また短日処理の繁雑さの点から、60%程度の遮光処理による第1次腋果房の早期分化処理の方が有効である。
  3. 遮光資材は、ハウス外張りとする。
図表1 232430-1.gif
図表2 232430-2.gif
図表3 232430-3.gif
カテゴリ 育苗 いちご 栽培技術 品種

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