雄性不稔性ユリ品種‘秋田プチホワイト’は高温感応により稔性が回復する

タイトル 雄性不稔性ユリ品種‘秋田プチホワイト’は高温感応により稔性が回復する
担当機関 秋田農試
研究期間 2003~2004
研究担当者 佐藤孝夫
柴田浩
三吉一光(秋田県立大)
発行年度 2005
要約 葯を形成しないユリ品種‘秋田プチホワイト’は、栽培期間に連続して32/25℃(昼温/夜温)の高温処理すると、葯の分化と花粉の形成が促され、稔性が回復する温度感応性雄性不稔品種である。
キーワード ユリ、温度感応性雄性不稔、高温、稔性回復
背景・ねらい 葯を形成しない雄性不稔性のアジアティックハイブリッド系ユリ品種秋田‘秋田プチホワイト’は、高温期の栽培で葯形成が部分的に回復することが観察されている。イネやナタネなどの雄性不稔性には、温度や日長時間によって葯や花粉が正常に発達して稔性が回復する環境感応性雄性不稔の報告があり、稔性回復する条件が明らかにされているが、ユリの雄性不稔性の稔性回復についてはこれまで報告がない。そこで、‘秋田プチホワイト’の葯が回復する要因を明らかにするため、栽培期間の温度が葯の形成に与える影響について検討する。
成果の内容・特徴
  1. ‘秋田プチホワイト’の球根をプラスチック鉢に定植し、日長14時間、相対湿度70%、光強度を蛍光灯下で256μmol・m-2・s-1に一定にした人工気象室で、温度をそれぞれ低温18/11(昼温/夜温)度C、中温25/18度C、高温32/25度Cに設定して栽培すると、低温、中温では葯が形成されず、高温で葯が形成される(表1)。
  2. 温度処理により雄ずいの形態が異なる。低温では葯の形成がなく、花糸全体が白色である。中温では葯は形成されないが、花糸の先端が黄色に着色して湾曲する。高温ではオレンジ色の葯が形成され、さらに花粉が形成される(図1)。
  3. 高温で形成される花粉には発芽孔があり、外壁にユリ花粉特有の網目状構造を形成し、稔性のある市販品種と同様の花粉形態に発達する(図2)。
  4. BK発芽培地による花粉の発芽率は58.6%である(図3)。さらに形成される花粉を花粉親として市販品種に交配すると、さく果が発達し、棒状胚のある種子を形成するため、高温で形成される花粉は稔性がある。
  5. 以上のことから‘秋田プチホワイト’の雄性不稔は温度により発現に差があり、特に高温によって稔性が回復する温度感応性雄性不稔であると結論される。
成果の活用面・留意点
  1. 温度感応性雄性不稔品種は、栽培期間の高温処理により稔性が回復するため、育種母本として利用することができる。
図表1 232452-1.gif
図表2 232452-2.gif
図表3 232452-3.gif
カテゴリ 育種 温度処理 栽培技術 なたね 品種 ゆり

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