寒冷地での短日処理によるイチゴ秋どり栽培における養分吸収特性

タイトル 寒冷地での短日処理によるイチゴ秋どり栽培における養分吸収特性
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2003~2005
研究担当者 山崎浩道
濱野 恵
今田成雄
発行年度 2005
背景・ねらい
我が国のイチゴ生産では、夏秋期(7∼10月)が端境期となっており、高品質の国産イチゴの増産が強く求められている。寒冷地では、夜間冷房を行わずに遮光のみを行う短日処理により一季成り性イチゴ品種を花芽分化させ、9月下旬∼11月に収穫することが可能であるが、本作型での養分吸収量は把握されておらず、安定多収のための施肥法は確立されていない。そこで、本作型に適した施肥法の開発を目的として、イチゴ秋どり栽培における養分吸収量および窒素吸収量の推移を明らかにする。

成果の内容・特徴 1. 寒冷地での短日処理によるイチゴ秋どり栽培において、株当たり150g(100kg/a)以上の収量となる場合の養分吸収量は、株当たり窒素(N)約1.5g(a当たり1.0kg)、リン(P)約0.20g(同0.14kg)、カリ(K)約1.5g(同1.0kg)、カルシウム(Ca)約1.1g(同0.75kg)、マグネシウム(Mg)0.30g(同0.20kg)である(表1)。
2. 7月(定植)から11月(収穫後期)までの窒素吸収量の推移には品種間で差がみられる(図1)。「女峰」では、果実が多数着果・肥大する10月(収穫前期)に窒素吸収量が多く、11月に少ないことから、収穫前期に肥効が最大となるような施肥が適する(図1A)。
3. 「とちおとめ」では、10月に窒素吸収量が最多となり、11月の吸収量も同程度であるため、収穫期を通して高い肥効が維持されるパターンの施肥が適する(図1B)。
4. 「さちのか」では、11月に分げつが盛んとなり、窒素吸収量が最多となることから、翌春にも収穫を行う場合には、株養成の観点から収穫後期の肥効を重点化する(図1C)。
5. 「北の輝」では、9月に窒素吸収量が最多となるが、株が休眠に入る10月以降には果実以外の吸収量が著しく減少し、着果負担が大きくなることから、休眠前の肥効を重点化し、充分な株養成を図る(図1D)。


成果の活用面・留意点
1. 本成果は、5月中下旬採苗、6月下旬∼7月下旬短日処理後定植、9月下旬∼12月上旬収穫を基本作型とした場合に得られたものである。
2. 寒冷地において、短日処理によるイチゴ秋どり栽培を行う際の施肥法策定のための基礎資料となる。


図表1 232480-1.gif
図表2 232480-2.gif
カテゴリ いちご 栽培技術 施肥 品種

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