タイトル | ブユをトラップに誘引する条件と捕殺の効果 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
白石昭彦 |
発行年度 | 2005 |
要約 | ブユをトラップへ誘引するためには炭酸ガスが必須であるが、飛来したブユに対して誘引灯は長時間トラップに引き留める効果がある。牧区内でトラップによる大量捕殺を行うことよってその牧区内での牛体へのブユ飛来数を大幅に減少できる。 |
キーワード | ブユ、トラップ、誘引、防除、乳用牛 |
背景・ねらい | 近年、ブユ類の乳牛に対する加害による、乳質の低下、夏期乳房炎の発症が問題となっているが、現状ではブユ類に対する有効な防除手段がない。このため早急な防除手段の開発が求められており、トラップによる大量捕殺も防除法の候補としてあげられる。このため、ブユに対する誘引条件、トラップによる大量捕殺によるブユ飛来数低減効果を調べ、今後のトラップ開発及びトラップによる防除の可能性に関する基礎的知見を得ることを目的とする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 吸血対象を探索中のブユは電撃殺虫器の誘引灯(近紫外線)やアブやサシバエに対して誘引効果のある黒色直方体には誘引されない。 2. 炭酸ガスに誘引されて飛来したブユは、炭酸ガス濃度が高い部分にある物体に定位し滞空飛翔を行う。炭酸ガス濃度が安定しない場合にはとまらずに飛び去り、炭酸ガス濃度が1000ppm前後の高い状態で安定している場合にのみ物体にとまり(表1)、物体上にとどまる時間は30秒以内である。 3. 炭酸ガスに誘引されて電撃殺虫器に飛来した後、飛去しようとするブユは誘引灯に正の走性を示し、誘引灯を点灯しない場合に較べ長時間殺虫器にとどまる(図1)。電極中央に黒色の円筒を取り付けると、ブユは誘引体に定位するため、電極に触れる確率が高まる(図2)。これらより誘引灯や黒色物体は寄主探索中のブユに対する誘引効果はないが、飛来したブユに対して長時間とどめる効果や特定方向へ誘導する効果があるといえる。 4. 牧区内でトラップによるブユ捕殺を行うと、その牧区内の牛に対するブユの飛来数は大幅に減少する(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ブユ防除用トラップ開発の基礎資料となる。 2. トラップによる大量捕殺により、牛体へのブユ飛来数を低減できる可能性が示されたが、実際に防除を行うためには取り扱いの簡単なトラップの開発が必要。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 乳牛 防除 |