複条播種による大豆の安定多収技術

タイトル 複条播種による大豆の安定多収技術
担当機関 山形県農業総合研究センター
研究期間 2005~2006
研究担当者 小林英明
浅野目謙之
阿部吉克
発行年度 2006
要約 大豆の複条播種(密植2列播種)による安定多収技術を開発した。初期生育が旺盛となり、主茎を中心に着莢する草型に変わり登熟が改善される。また、密植効果により単位面積当たりの莢数が増加し、多収となる。
キーワード 大豆、密植、複条播種、安定多収
背景・ねらい 山形県では、ここ数年来大豆の収量が低く、安定的な市場供給ができないことが生産振興上の課題となっている。そこで作付の主体である転換畑での大豆の安定生産を目標に機械化一貫体系の新たな安定多収栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 複条播種機の改良
    A社製、回転ロール式播種機(TUW播種機)の播種ロールのミゾを埋め、1粒播き仕様とし、播種機2台を近接させ1条2列播種とした(図1)。株間の調整により裁植密度を10~20本/平方メートルに可変できる。また、6ミゾタイプの播種ロールを使用し、2台のうち片方を左右反転させることで千鳥状に播種することが可能である。
  2. 複条播種技術とその特徴
    1. 畝間75cm、幅15cmで2列播種を行う。1株1本立て。栽植本数は17~20本/平方メートルの密植栽培とする(図2)。播種量は概ね5~6kg/10aである(慣行の3~5割増)。
    2. 培土作業は慣行栽培同様に実施できる機械化体系であり、雑草防除と倒伏防止については慣行と同等である。
    3. 複条播種により株間の空間が確保できるため、密植しても受光態勢が良く、開花期までの乾物生産が多くなる。主茎を中心に着莢が安定し、密植効果と合わせて、慣行に比べ、単位面積当たりの莢数は20~27%程度増加する。受光態勢の改善により登熟が良く、莢数が増加しても百粒重は慣行と同等に確保できることから4~20%程度増収する(表1)。
    4. 茎が細く、茎水分の低下が早いため収穫適期は早まる。
成果の活用面・留意点
  1. 品種は「タチユタカ」を基本とし、6月上旬~中旬に播種を行う。密植により初期から生育が旺盛となるため、早播きは控え、施肥量は慣行栽培と同等とする。
  2. 回転ロール式の播種機は1基3万円程度、播種ロールは1個3千円程度で市販されている。種子ホッパー等は既存のものを使用し、軽微な改良で活用できる。
図表1 232509-1.gif
図表2 232509-2.gif
図表3 232509-3.gif
カテゴリ 病害虫 安定多収技術 機械化 機械化体系 雑草 施肥 大豆 多収栽培技術 播種 品種

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