岩手県における大豆「早生黒千石」の生育特性及び栽培指針

タイトル 岩手県における大豆「早生黒千石」の生育特性及び栽培指針
担当機関 岩手農研
研究期間 2005~2006
研究担当者 井村裕一
発行年度 2006
要約 岩手県において、大豆「早生黒千石」は「コスズ」より主茎長が短く、着莢位置が低く、子実重が1割以上少ない。県南部では、播種期を6月上旬、栽植様式を畦間70cm×株間5~8cmとすることで、比較的安定した生産が可能である。
キーワード ダイズ、岩手県、早生黒千石、生育特性、栽培指針、コンバイン収穫
背景・ねらい 岩手県において、大豆品種「早生黒千石」は1998年頃に実需関係者の主導により北海道から導入され、県外大手納豆業者との契約栽培等により435ha(2006年)作付けされているが、生育特性が明らかではなく、特性に基づく栽培管理がなされていない。
そこで、同品種の本県における生育特性を明らかにし、栽培上の指針を策定する。
成果の内容・特徴
  1. 岩手県における生育特性(表1)
    1. 開花期は「コスズ」より6日程度早く、成熟期は「コスズ」並~やや早い。
    2. 主茎長は「コスズ」の半分程度と短く、最下着莢節位高もかなり低い。
    3. 子実重は「コスズ」より1割以上、「スズカリ」より2割以上少ない。
    4. 百粒重は「コスズ」よりやや重く、種皮色は黒、子葉色は緑である。
    5. 子実の粒度分布は6.1mm以上の割合が「コスズ」より多い。
  2. 岩手県(県南部)における栽培指針
    1. 播種期は6月上旬とし、栽植様式は畦間70cm×株間5~8cmとすることによって、主茎長・最下着莢節位高を一定程度確保し、かつ倒伏の回避を図りながら、比較的高い子実重が期待できる(図1、表2)。
    2. 安定生産が期待できる生育量・収量構成要素の目標値は、主茎長50cm、最下着莢節位高8cm、倒伏「少」程度(培土1回実施)、総節数650節/平方メートル、稔実莢数1,600莢/平方メートル、百粒重10~11gを目安とする(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 諸条件により結果的に着莢位置が低くなり、地面から最も下の莢の下端までの高さが3cm前後かそれ以下の場合、コンバインの刈刃を狭ピッチのもの(中央農業総合研究センター開発)に交換することにより収穫損失が低減できる(表3)。
  2. 具体的データで示した子実重は、圃場枕地や収穫・選別時の損失等は未考慮であり、生産現場における実収量とは異なる。
  3. 本品種に関しては、病害虫抵抗性等について不明な点が残されている。
図表1 232510-1.gif
図表2 232510-2.gif
図表3 232510-3.gif
図表4 232510-4.gif
カテゴリ 害虫 栽培技術 大豆 抵抗性 播種 品種

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