オビルピーハの根群分布および根粒着生状況

タイトル オビルピーハの根群分布および根粒着生状況
担当機関 岩手農研セ
研究期間 2004~2006
研究担当者 大野浩(岩手農研セ)
紺野直(陸前高田営農指導セ)
金野廣悦(陸前高田営農指導セ)
金浜耕基(東北大)
発行年度 2006
要約 オビルピーハの根の分布は主幹からの距離75㎝、深さ25㎝までの範囲で密度が高い。根粒は主幹から75㎝、深さ25㎝までの範囲に多く存在し、深さ25㎝以上の土層には認められない。根粒は無施肥で着生量の増加が著しい。
キーワード オビルピーハ、根、根粒
背景・ねらい グミ科の小果樹Hippophae rhamnoides L.は現在8つの亜種が知られ、中でもシベリア原産のロシア系統(ssp. mongolica)はオビルピーハ( ロシア名 oblepikha )と呼ばれる。オビルピーハは他の亜種に比べ果実品質に優れ、ビタミンA、C、E等のほか、果実に希な多機能性成分が多い。オビルピーハは寒冷地に適し、空中窒素を固定する根粒菌が共生することから、国内寒冷地の耕作放棄地等で優れた生育をすると考えられる。陸前高田市では平成13年より栽培に取り組んでいるが、国内で栽培された例が無く、生育特性などの知見はほとんど無い。そのため、栽培管理技術確立の基となる根群・根粒分布を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. オビルピーハ5年生樹の根の分布は主幹からの距離0-75cm、深さ0-25cmの範囲で密度が高く、深さ50cm以上の土層に根は認められない。根径5mm以下の根は、深さ25-50cmの層でも深さ0-25㎝の層と同程度に存在する(表1)。
  2. 根粒は25㎝よりも深い土層からは認められず、主幹からの距離75cmまでの範囲には主幹からの距離75-150cmの10倍程度の根粒が存在する(表1)。
  3. 窒素、リン酸、カリを10aあたり各々0、2、4、8kg施用し、根粒着生の変化を調査したところ、施肥2、4、8kg区よりも施肥0kg区の根粒着生の増加が著しく、オビルピーハの根粒形成は施肥の影響を受ける(表2)。各施肥区のあいだで樹体生育、新梢長に大きな差は見られない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、陸前高田市総合営農指導センターが東北大学を通じて導入し、2001年に定植したロシア系統(5年生,実生系統)を用いた結果である。
  2. 無施肥で根粒着生が増加したが、オビルピーハの経済栽培を行う上では施肥を行う必要があることも考えられる。
図表1 232533-1.gif
図表2 232533-2.gif
図表3 232533-3.gif
カテゴリ 機能性成分 栽培技術 施肥

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