早生・低アミロース米水稲新品種「淡雪こまち」の育成

タイトル 早生・低アミロース米水稲新品種「淡雪こまち」の育成
担当機関 秋田県
研究期間 1993~2006
研究担当者 佐藤馨
柴田智
小玉郁子
松本眞一
川本朋彦
田村里矢子
眞崎聡
発行年度 2006
要約 水稲「淡雪こまち」は、秋田県で育成した早生の低アミロース米品種である。本品種は、 登熟気温が低い中山間地では粘りがやや弱くなるものの良食味である。秋田県において、中山間 地向け地域特産的品種として、認定品種に採用する予定である。
キーワード イネ、淡雪こまち、秋田県、低アミロース米、良食味
背景・ねらい 本県の主力品種である「あきたこまち」の作付が拡大する状況において、中山間地では「あきたこまち」より早い熟期の地域特産的品種が要望されていた。そこで、本県では、早生の早の低アミロース米の品種を育成した。
成果の内容・特徴
  1. 水稲「淡雪こまち」は、秋田県農業試験場において、早生の低アミロース米品種を目標とし「奥羽343号」を母、「秋田51号」(「でわひかり」)を父として、1993年に人工交配を行い、その後代より育成した品種である。
  2. 出穂期、成熟期は、「あきたこまち」より早い、早生の早である。「スノーパール」に比較し、稈長、穂長は短く、穂数は同程度、草型は“偏穂数型”である。収量は「スノーパール」より少ない(表1)。
  3. いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia、Pii”と推定され、圃場抵抗性は葉いもちが“中”、穂いもちが“中”、耐倒伏性が“中”、耐冷性が“中”、穂発芽性は“やや難”である(表1)。
  4. 出穂期が「でわひかり」より早く、苗立ち数が多く、本県において直播栽培が可能である。
  5. アミロース含有率は、出穂後20日間の日平均気温により変動する。アミロース含有率が12%程度以下では、玄米の白濁粒は高く、玄米白度は糯と同程度である(図1)。
  6. アミロース含有率が13%程度以上では、玄米の白濁率は極めて低く、玄米白度は粳と同程度である(図1)。
  7. 炊飯米の粘りは「あきたこまち」より明らかに強い。登熟気温が低い中山間地(鹿角市)では、粘りがやや弱くなるものの、食味の総合、外観が平坦部(秋田市)より優れる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 秋田県の中山間地を中心に、150ha程度の普及が見込まれる。
  2. 中山間地において、特色ある米飯特性を生かすことにより、地域特産的品種として利用価値が高く、中山間地では新たな米の需要が開拓される。
  3. いもち耐病性は葉いもちが“中”、穂いもちが“中”なので、適期に防除を行う。
図表1 232570-1.gif
図表2 232570-2.gif
図表3 232570-3.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 直播栽培 新品種 水稲 中山間地域 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 防除 良食味

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