穂揃期の形質と気温日較差による玄米の白未熟粒発生率の推定

タイトル 穂揃期の形質と気温日較差による玄米の白未熟粒発生率の推定
担当機関 宮城古川農試
研究期間 2004~2006
研究担当者 佐々木次郎
小野寺博稔
関口 道
発行年度 2006
要約 白未熟粒の発生要因となる同化産物の供給不足を相対的に評価するため、穂揃期の栄養状態と高温障害の危険期の気温日較差からなる玄米充填示数を設定すると、年次を越えて白未熟粒の発生率を推定できる。
キーワード 白未熟粒、窒素保有量、止葉葉色(SPAD値)、気温日較差、玄米充填示数
背景・ねらい 玄米の外観品質について、出穂後20日間の平均気温が23度Cを超えると白未熟粒の発生地点が増え始め、26℃以上になると白未熟粒歩合が5%を超える地点が半数以上となり、登熟期の高温が一等米比率を低下させているとの報告がある。また、穂揃期の栄養状態が白未熟粒の発生を助長することが知られており、平方メートル当たり籾数が多いほど、さらに登熟期の葉色が著しく低下することが要因として指摘されている。
そこで、品種「ひとめぼれ」を対象に、穂揃期の窒素栄養状態から、白未熟粒発生を助長する体質の判定や白未熟粒の発生率を推定する手法を開発し、高温障害への対策に役立てる。
成果の内容・特徴
  1. 籾数が多いほど白未熟粒が発生しやすい傾向にあるものの、籾数と白未熟粒の発生率の間には年次間差がある(図1)。
  2. 白未熟粒の発生要因となる高温障害危険期の同化産物の供給不足を間接的に評価するため、下記の「玄米の充填示数」を設定する。この示数は、高温障害危険期の1粒当たりの同化産物のつまり具合を相対的に評価しようとするもので、年次を越えて白未熟粒の発生率と適合している(図2)。
  3. 玄米の充填示数は,登熟期の高温により産米検査の一等比率が低くなった年次の白未熟・充実度による落等理由の割合と相関がある(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 玄米の充填示数による白未熟粒発生率の推定は、出穂後20日間の平均気温が23度Cを超え高温障害が発生する年次に適用できる。
  2. この充填示数は、白未熟粒の発生を助長させないための穂揃期の葉色基準の策定等に利用できる。
  3. 玄米品質は、粒厚1.9mm以上の玄米サンプルをサタケ穀粒判別器RGQ110Aで判定する。ここでの白未熟粒は、乳白粒、基部未熟粒、腹白粒を合計したものである。
図表1 232571-1.gif
図表2 232571-2.gif
図表3 232571-3.gif
図表4 232571-4.gif
カテゴリ 肥料 高温対策 品種

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