水稲種子生産圃場におけるこぼれ籾から発生する漏生苗の防除法

タイトル 水稲種子生産圃場におけるこぼれ籾から発生する漏生苗の防除法
担当機関 秋田農技セ農試
研究期間 2005~2005
研究担当者 佐藤馨
加藤和直
京谷薫
眞崎聡
鎌田易尾
発行年度 2006
要約 水稲収穫作業時のこぼれ籾から発生する漏生苗の防除は、代かきの間隔をあけ2回行い、2回目の代かき終了直後にプレチラクロール乳剤を散布すると効果が高い。
キーワード こぼれ籾、2回代かき、プレチラクロール、種子生産圃場
背景・ねらい 秋田県では種子生産圃場において、前年に作付けした稲の収穫作業時に生じた「こぼれ籾」に起因する異品種混入問題が発生した。このことを踏まえ、様々な対策を実施しているが、その一つとして種子生産圃場において前年のこぼれ籾から発生する漏生苗を防除し、前年の作付の影響が残らないように圃場をクリーニングするように指導している。
すでに、こぼれ籾の防除には、プレチラクロールを含む除草剤が有効であるという報告がある(山内ら,東北農業研究47,1994年)。ここでは、プレチラクロール乳剤を用い、除草剤の処理時期や代かき回数の違いが、こぼれ籾からの漏生苗の発生に及ぼす影響について検討し、より効果的な防除方法について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. こぼれ籾から発生する漏生苗のプレチラクロール乳剤による防除効果は、代かき直後に処理すると高く、代かきからの日数が長いほど低くなる(図1)。
  2. こぼれ籾から発生する漏生苗の代かきによる防除効果は、代かき1回よりも2回行った場合に高く、代かきの間隔が長くなるほど高い(図2)。
  3. こぼれ籾から発生する漏生苗の防除効果は、代かきを2回行い、2回目の代かき直後に除草剤を処理すると高い(図3)。
  4. 除草剤による防除効果は、籾の位置が田面から約5mmまでの深さで高く、それより深いと劣るが、2回の代かきにより深い層からの漏生苗の発生が減少するため、2回代かきと除草剤を組み合わせることで高くなる(図3、4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は2005年のデータであり、「あきたこまち」を試験開始時に散布し調査した。除草剤はプレチラクロール乳剤(プレチラクロール12%)を用いた。
  2. 種子生産圃場等でのこぼれ籾から発生する漏生苗の防除に利用できる。
  3. 1回目の代かきと2回目の代かきの間隔は7日以上とする。
  4. 除草剤の使用に当たっては農薬使用基準を遵守する。
  5. 本方法によっても完全に防除することは困難なため、発生したら抜き取りに努める。
  6. 田植後の雑草防除は、一発処理剤または中期剤との体系防除で行う。
図表1 232580-1.gif
図表2 232580-2.gif
図表3 232580-3.gif
図表4 232580-4.gif
カテゴリ 病害虫 くり 雑草 除草剤 水稲 農薬 品種 防除

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