各種有機質肥料のδ15N値とコマツナ、キュウリのδ15N値の特徴

タイトル 各種有機質肥料のδ15N値とコマツナ、キュウリのδ15N値の特徴
担当機関 福島農総セ
研究期間 2006~2006
研究担当者 佐藤紀男
三浦吉則
発行年度 2006
要約 有機質肥料のδ15Nは、大豆粕のようにマイナスの値のものから家畜ふん堆肥の一部のように15以上の値を示すものまで広範囲にわたり、コマツナとキュウリのδ15N値は、使用した有機質肥料のδ15N値の直接的な影響を受けて変化する。
キーワード δ15N、有機質肥料、コマツナ、キュウリ
背景・ねらい 福島県では、「ふくしま型有機栽培」を積極的に推進することとしており、県自らが有機認証機関の資格を取得している。有機の生産現場では多様な有機質肥料が使われており、有機質肥料とそれによって生産された野菜の関連性を類推できる手法の開発が求められている。そのため、有機質肥料の違いによって特徴的な値をとると考えられるδ15N値に着目し、福島県内の代表的な有機質肥料のδ15N値とそれによって栽培された作物のδ15N値との関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 有機質肥料の中では、植物質のδ15N値が低く、特に、空気中から固定した窒素を含む大豆粕では特異的に低い値を示す(図1)。
  2. 魚粕のδ15N値は12‰程度の値を示し、魚粕を混合した有機質肥料では比較的高いδ15N値となる(表1、図1)。
  3. 家畜ふん堆肥のδ15N値は、10~17‰程度の範囲にあり、副原料として籾殻を用いたものよりオガクズを用いたものの方が高くなる傾向が認められる(表1、図1)。
  4. 基肥のみによるコマツナ栽培では、コマツナのδ15N値は、基肥に使用した有機質肥料のδ15N値と近似した値となる(図1)。
  5. 液肥による追肥を行うキュウリ栽培では、果実のδ15N値は、基肥と追肥のδ15N値の両方を反映した値となる(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 使用した有機質肥料と生産された作物の関連性をみる手法として活用できる。
  2. コマツナ、キュウリともに、施肥来歴のない土壌において得られた結果である。
図表1 232610-1.gif
図表2 232610-2.gif
図表3 232610-3.gif
図表4 232610-4.gif
カテゴリ 有機栽培 土づくり 肥料 きゅうり こまつな 施肥 大豆粕

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる