多収・良食味水稲新品種「秋田89号」の採用

タイトル 多収・良食味水稲新品種「秋田89号」の採用
担当機関 秋田農技セ農試
研究期間 2004~2007
研究担当者 柴田智
佐藤馨
佐藤雄幸
佐野広伸
三浦恒子
眞崎聡 
発行年度 2007
要約 水稲「秋田89号」は、中生の晩の粳種で千粒重が大きく、玄米蛋白質含有率が低く、柔らかい食感が特徴の良食味品種である。いもち病圃場抵抗性、耐倒伏性ともに「ひとめぼれ」より強く、収量が多く安定生産が期待できる。秋田県において2008年に奨励品種に採用する予定である。
キーワード イネ、秋田89号、秋田県、良食味、安定生産
背景・ねらい 秋田県の水稲栽培は、主力品種である「あきたこまち」に作付が偏重する状況にあり、他の品種への作付け誘導が進められている。このため、多様化している米需要へ対応できる品種が求められている。秋田89号は、安定生産が可能で「あきたこまち」と異なる食感を持っていることから、奨励品種に採用することにより、秋田県の良食味品種ラインナップの一翼を担う事ができる。
成果の内容・特徴
  1. 水稲「秋田89号」は、「岩南8号/秋田58号」後代から育成された品種で、出穂期および成熟期は「あきたこまち」より遅く「ひとめぼれ」並の中生の晩に属する。「ひとめぼれ」と比較し、稈長は並で、穂長はやや長く、穂数は少ない“中間型”である(表1)。
  2. いもち病に対する圃場抵抗性は、葉いもちが“中”、穂いもちが“やや強”で、「ひとめぼれ」や「めんこいな」に優る(表1)。
  3. 耐倒伏性は、「ひとめぼれ」、「あきたこまち」より強く「めんこいな」並である(表1)。
  4. 玄米収量は、「ひとめぼれ」、「あきたこまち」より多く、「めんこいな」並に多収である(表1)。
  5. 玄米外観品質は、「ひとめぼれ」、「あきたこまち」並に良好で、玄米千粒重が大きく、玄米蛋白質含有率が低い(表1)。
  6. 食味は、「あきたこまち」、「ひとめぼれ」並に良好で、飯米の硬さは柔らかい(表2)。
  7. 現地試験においても、玄米収量は「ひとめぼれ」、「あきたこまち」よりほぼすべての地点で多く、玄米外観品質は「ひとめぼれ」、「あきたこまち」並に良好である(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 秋田県の県南内陸平坦部を中心とした、秋田県内平坦部一円(A1,A2地帯)に、10000ha程度の普及が見込まれる(図1)。
  2. いもち病圃場抵抗性は、穂いもち“やや強”であるが、葉いもちが“中”のため適期防除に努める。
  3. 耐倒伏性は“やや強”であるが、品質低下を防ぐため、多肥栽培は避ける。
図表1 232701-1.gif
図表2 232701-2.gif
図表3 232701-3.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 新品種 水稲 多収良食味 抵抗性 品種 防除 良食味

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