寒締めほうれんそうに含まれる糖含量と簡易測定法

タイトル 寒締めほうれんそうに含まれる糖含量と簡易測定法
担当機関 岩手農研
研究期間 2005~2007
研究担当者 宍戸 貴洋 
発行年度 2007
要約 市場に流通している寒締めほうれんそうは夏どりの約9倍の糖を含んでおり、食味は「甘さ」に強い影響を受け、糖含量は多いほど「甘さ」の評価が高まる。また、最長葉とその向かいの葉の葉柄Brix値により株全体の糖含量を簡易に推定できる。
背景・ねらい 寒締めほうれんそうに含まれる糖含量は夏どりに比べ増加するという報告はすでにあるが、実際に流通しているものの実態を調査した事例は少ない。また、岩手県内の農協においては一定糖度(Brix)以上を出荷の目安とするなどの取組みを行っているが、測定法が定まっておらず、産地ごとの測定値を比較することができないのが現状である。
そこで、寒締めほうれんそうに含まれる糖含量の実態や食味の特徴を明らかにするとともに、糖含量の簡易な測定法について検討し、今後の栽培及び販売対策の資とする。
成果の内容・特徴
  1. 寒締めほうれんそうに含まれる糖含量(表1)
    平成16 年度及び17 年度の12 月~ 2 月に岩手県内4 地域から収集した63 点の寒締めほうれんそうの糖含量は平均で2.8g(標準偏差±0.7g)/100gFW であった。これは夏どりほうれんそうの平均である0.3g/100gFW(平成17 年及び18 年の7~9 月、県内3 地域72 点)に比較して約9 倍含まれていた。
  2. 寒締めほうれんそうの食味評価の特徴(図1)
    寒締めほうれんそうの食味に最も影響する項目は「甘さ」であり、糖含量が多いほど「甘さ」の評価は高まった。
  3. 糖含量の推定法
    1. 示差屈折計(以下、「Brix 計」という。)による寒締めほうれんそうの糖含量の推定法(図2)
    2. サンプリング方法(図3)
      ア 出荷箱内の推定: 1 箱から1 袋をサンプリング
      イ 収穫時期の判定: ハウス中央部からサンプリング
成果の活用面・留意点
  1. 農協に出荷されたほうれんそうを宅配便により輸送(寒締め:常温、夏どり:クール便)し、出荷日翌日に届いたものを処理して分析に供したものである。
  2. 簡易測定法の測定部位は、農林水産研究高度化事業「寒締め野菜の高品質化シナリオの策定と生産支援システムの開発(H13~H15)」における申し合わせ事項の葉柄としている。
図表1 232740-1.gif
図表2 232740-2.gif
図表3 232740-3.gif
図表4 232740-4.gif
図表5 232740-5.gif
図表6 232740-6.gif
カテゴリ 簡易測定 出荷調整 ほうれんそう 輸送 良食味

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