タイトル |
2条植えヤマノイモ移植機 |
担当機関 |
JA |
研究期間 |
2006~2006 |
研究担当者 |
片平光彦
上田賢悦(北秋田地域振興局)
阿部浩(秋田農技セ農試
技術普及部)
小林由喜也(秋田県立大学)
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発行年度 |
2007 |
要約 |
開発した2条植えヤマノイモ移植機は、慣行と同等の作業精度で、作業負担度が慣行よりも93%減少する。開発機の作業能率は、作畝、移植、マルチの各作業が同時に行えるため2.2h/10a となり、慣行と比較して省力化率が60%である。
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キーワード |
ヤマノイモ、2条植え移植機、作業精度、作業負担度
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背景・ねらい |
ヤマノイモ(ヤマトイモ)の移植作業は、腰を曲げた状態で種芋の向きを揃えながら手植えするため、作業能率が低く作業負担も大きい。生産地では、作業性の改善による一戸当たり栽培面積の拡大に加え、現行の2条植えマルチ栽培に対応した移植機械の開発への要望が高い。そこで、サトイモ等に使われている市販の1条植え移植機を基に、植え付け部が2条で平高畝が成形できるヤマノイモ移植機を開発し、作業の省力・軽労化を実現する。
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成果の内容・特徴 |
- 2条植えヤマノイモ移植機(以下、開発機と呼称)は、移植機に乗車した2名の作業者とオペレータの合計3名で作業する。植え付け部は、ロータリ後方に配置した接地輪を動力源に、35cm間隔で2条並列に配置している(図1)。
- 植え付け部は、付属するギアの比率を変えることで株間を30、35、40cmに調節可能で、左右の種芋フォルダ位置をオフセットさせることで千鳥植えにも対応できる(図1)。
- 開発機には、慣行栽培と同等な形状(床幅75cm、畝幅90~95cm、畝高さ20cm)に作畝するため、1条植え移植機に付属するロータリに耕うんつめを2枚追加し、慣行の畝形状に対応する成形板を取り付ける(図1)。
- 開発機は、砕土率86%のほ場で床幅71cm、畝幅90cm、畝高さ19cmの平高畝を成形できる。移植作業では、正常な向きに植え付けられた割合が92%、植え付け深さが7cmとなり、慣行と同等の精度で作業できる(表1)。
- 開発機を用いた移植作業では、作業負担度が慣行よりも93%減少し、作業姿勢調査(OWAS法)でAC1の割合が慣行よりも44%増加するなど軽労効果が高い(図2)。
- 開発機の作業能率は2.2h/10a であり、慣行と比較して60%の省力化率である。作業日数を基に算出した負担面積は4.5haとなり、慣行の2.5倍である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 開発機は、出力27kW 以上のトラクタに取り付ける。
- 作業者は、トラクタの旋回時に作業台から降車する。
- 開発機は秋田県の担当者が試作を行い、それを基に株式会社クボタが市販化(価格:約150 万円)している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
軽労化
さといも
市販化
省力化
やまのいも
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