東北中北部向け飼料用稲「べこごのみ」無コーティング湛水直播の晩播播種適期

タイトル 東北中北部向け飼料用稲「べこごのみ」無コーティング湛水直播の晩播播種適期
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2006~2007
研究担当者 山口弘道
木村勝一
矢治幸夫
河本英憲
押部明徳
発行年度 2007
要約 東北中北部向け飼料用稲「べこごのみ」を用いて無コーティング湛水土中直播で晩播を行う場合、5月下旬までの播種で、覆土条件下でも苗立が安定し、出穂の遅延や全乾物収量の低下も小さく、食用品種収穫前に黄熟期収穫が可能である。
キーワード 飼料イネ、無コーティング湛水直播、べこごのみ、晩播、播種期
背景・ねらい 食用品種より低コスト・省力生産が求められる飼料イネ湛水直播においては、過酸化カルシウム剤等の種子粉衣過程の省略により、春作業の資材費、労力負担の低減が期待される。晩播の導入により苗立期の低温や食用品種の移植等との作業競合が回避されるが、栽培品種や播種時期によっては食用品種との収穫作業競合や収量低下の懸念がある。
そこで、東北中北部向けに育成された早生飼料イネ専用品種「べこごのみ」を用いて、無コーティング湛水土中直播で晩播を行った場合の、苗立、出穂、収量確保からみた播種適期を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 「べこごのみ」の無コーティング湛水直播では、播種後10日間の平均気温が15度に達する5月下旬播種以降の晩播により、覆土条件においても乾籾換算8kg/10a程度(250粒/㎡)の播種量で100本/㎡以上の苗立が確保される(図1)。
  2. 東北中北部の稲作地帯において、5月下旬は食用品種の移植最盛期を過ぎるため、春作業の競合を回避できる。また、稲作期間中で最も降雨が少なく日射量も多い時期のため、直播の計画的作業が能率的に行うことができ、落水出芽法の効果も得られやすい(図2)。
  3. 「べこごのみ」の出穂は、6月上旬播種では5月上旬播種に比べ7日程遅延するが、5月下旬播種では遅延程度は2日と小さく、8月中旬に出穂するため、食用品種収穫前の9月中旬の黄熟期収穫が可能である(図3)。
  4. 黄熟期全乾物重収量は播種期が遅くなるほど低下する傾向にあり、6月上旬播種では収量低下が大きくなるが、5月下旬播種では十分な収量が確保される(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、「べこごのみ」のホールクロップサイレージとしての利用を対象とし、寒冷地での生産コスト低減および食用米生産との労力分散を図る上での基礎的知見となる。
  2. 播種にはK社多目的田植機用条播機(SPU600+DS6UKF)を用いた。
  3. 食用品種の収穫期は中生品種の刈取最盛期を基準とする。予乾体系では乳熟期からの収穫も可能なため、収穫時期を更に早めることができる。
図表1 232760-1.gif
図表2 232760-2.gif
図表3 232760-3.gif
図表4 232760-4.gif
カテゴリ コスト 飼料用作物 低コスト 播種 春作 品種

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