タイトル |
乳用雌子牛は2ヵ月齢から放牧育成が可能 |
担当機関 |
福島農総セ |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
中村弥
山本みどり
生沼英之
矢内清恭
|
発行年度 |
2008 |
要約 |
乳用子牛の2ヵ月齢からの育成早期放牧においても、標準発育を示した。血液成分、VFA 濃度の変化から、2ヵ月齢の乳用子牛については、放牧開始後3~4週間程度を馴致期間ととらえ管理することで放牧管理が可能である。
|
キーワード |
2ヵ月齢、育成早期、放牧、栄養摂取
|
背景・ねらい |
後継牛の確保は、酪農経営の基盤強化に直結する。現状では育成にかかる労力軽減などから、外部導入に頼る傾向があり、結果としてコスト増や疾病侵入のリスク発生も見られており、省力的な育成管理が求められている。 そこで、若齢期に放牧を取り入れることによる省力化を目指し、子牛の栄養摂取の指標となる血中総コレステロール(以下T-CHO)や放牧草に多く含まれるβカロチン、第一胃液VFA 等を指標として、早期放牧による雌子牛への影響を調査し、2ヵ月齢からの放牧育成の可能性について検討する。
|
成果の内容・特徴 |
- 放牧開始前(8週齢時)概ね1kg/日の代用乳を摂取した乳用雌子牛を、2ヵ月齢から放牧し、放牧地牧草の自由採食に併せ、90日齢までは、人工乳(TDN72%、CP18%)を2kg/日、以降は育成前期飼料(TDN68%、CP18%)を2kg/日を給与した結果、体高・体重等は標準発育同等の成長を示す。(図1)
放牧面積は、総面積1200m2を400m2/区として1週間程度毎に転牧利用している。 - 血中T-CHO(図2)、βカロチン(図3)、第一胃液のVFA濃度の推移(図4)および発育状況から、離乳後間もない2ヵ月齢の牛においては、充実した栄養摂取に放牧後3~4週間を要することから、この期間を馴致期間としてとらえ、管理を行うことで2ヵ月齢からでも放牧管理が可能である。
- 2ヵ月齢から放牧する際は、寒冷ストレス等を避けるため、また、補助飼料を給与するための風雨等を回避する場所を確保するとともに、牛舎周辺の目の届きやすい場所での放牧が望ましい。
- 本成果の活用方法として、採食量の少ない2~3ヵ月齢の雌子牛は、牛舎周辺で放牧管理し、5~6ヵ月齢を過ぎた育成牛は公共牧場等を利用することにより管理の省力化が図られる。
|
成果の活用面・留意点 |
- 2ヵ月齢から放牧する際は、寒冷ストレス等を避けるため、また、補助飼料を給与するための風雨等を回避する場所を確保するとともに、牛舎周辺の目の届きやすい場所での放牧が望ましい。
- 本成果の活用方法として、採食量の少ない2~3ヵ月齢の雌子牛は、牛舎周辺で放牧管理し、5~6ヵ月齢を過ぎた育成牛は公共牧場等を利用することにより管理の省力化が図られる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
経営管理
コスト
省力化
乳牛
|