早生で結実・食味の良好なオウトウ新品種「紅ゆたか」

タイトル 早生で結実・食味の良好なオウトウ新品種「紅ゆたか」
担当機関 山形農総研セ
研究期間 1989~2005
研究担当者 阿部和幸
安孫子裕樹
丸川崇
工藤信
山口正己
西村幸一
石黒亮
本間禎明
発行年度 2008
要約 オウトウ新品種「紅ゆたか」は、「高砂」とほぼ同時期に収穫可能な早生種である。結実が安定し、果実は6~9gと早生種では大きく、食味良好である。本品種は「佐藤錦」等と交雑和合性であるが、「高砂」、「紅さやか」、「紅てまり」等とは不和合性である。
キーワード オウトウ、新品種、早生、良食味、結実安定、「紅ゆたか」
背景・ねらい オウトウ栽培においては、主力になっている「佐藤錦」の前に収穫可能で高品質な品種の開発が望まれている。そのため、「佐藤錦」と交雑和合性があり、結実・食味良好な早生種の育成を図る。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
    交雑親:「ビック」×C-21-7(「ビング」×「黄玉」)、交雑年:1990年(平成2年)、オウトウ第2回系統適応性検定試験供試年:1999年(平成11年)、旧系統名「オウトウ山形C7号」、品種候補系統決定年:2007年(平成19年)2月、品種登録出願:2006年(平成20年)8月22日、出願公表:2008年(平成20年)7月11日、農林認定:2008年(平成20年)4月25日。
  2. 特性概要
    1. 開花期は「佐藤錦」と比較して1~4日早く「高砂」と同時期または1~2日遅い(表1)。
    2. 収穫期は「高砂」とほぼ同時期で「佐藤錦」より5~7日早く収穫可能な、早生種に位置づけされる(表1)。
    3. 樹勢は中~やや強く「高砂」と同程度である。枝梢の発生は中、花束状短果枝の着生は多い(表1、表3)。
    4. 果形は扁円形で縦径に比較し横径が広く特徴的である。果皮は赤色に着色する。果肉はクリーム色である(表1、図1)。
    5. 平均果重は6~9g、糖度は18~19%、酸度は0.6~0.8g/100ml(リンゴ酸換算)で、甘味が濃厚で食味良好である(表1)。
    6. S(自家不和合性)遺伝子型はS16で「高砂」、「紅さやか」、「紅てまり」等と同一不和合群であるため、これらの品種と交雑不和合となるが、「佐藤錦」、「紅秀峰」等とは交雑和合性である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. オウトウ産地の全域で栽培可能である。
  2. 灰星病、黒斑病、樹脂細菌病などオウトウの主要病害に対しては「佐藤錦」並の強さで、通常の薬剤防除で問題はない。また、完熟果収穫のため雨除け栽培が望ましい。
  3. 本品種は農林水産省指定試験事業により育成されたものである。
図表1 232815-1.gif
図表2 232815-2.png
図表3 232815-3.gif
図表4 232815-4.png
カテゴリ 病害虫 おうとう くり 新品種 品種 防除 薬剤 良食味 りんご

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