タイトル |
農産物に対する消費者ニーズを定型自由文から明らかにする手法 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 |
2007~2008 |
研究担当者 |
磯島昭代
磯島昭代
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発行年度 |
2008 |
要約 |
消費者が農産物購入時に重視する商品属性について、その理由を多数の消費者を対象に定型自由文で収集し、テキストマイニングを適用する手法を考案した。これにより、農産物購買行動の背景にある消費者の価値意識やニーズを明らかにすることができる。
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キーワード |
テキストマイニング、定型自由文、ラダリング調査法、消費者ニーズ
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背景・ねらい |
農産物に対する消費者ニーズを明らかにする際、選択肢式の質問紙調査で得られる回答は提示した選択肢の範囲内に限られる。一方、グループインタビューなど少人数を対象とする面接調査は、調査者が想定しない新たな情報を得る可能性があるが、調査可能な人数が限られるため幅広い消費者から情報を得ることが難しい。そこで、あらかじめ定められた形式に基づいて自由記述を行う定型自由文を用いて、多数の消費者データから農産物購買行動の背景にある価値意識やニーズを解明するための調査・分析手法を考案する。
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成果の内容・特徴 |
- 調査・分析の手順を図1に示す。まず、郵送の質問紙調査で、(a)対象となる農産物について、消費者が重視する商品属性を明らかにする。ここでは、既往の文献などを参考に購入時に重視される可能性のある商品属性を選択肢として提示し、その中から回答者が重視すると判断した項目を複数個あげてもらう。
- (b)選択した各商品属性について、それを重視する理由を1行におさまる程度の短い文章(定型自由文)で記述してもらう。その際、ラダリング調査法を用いると、機能的な要因、心理的な要因、価値観に関わる要因など購買行動の背景にある多様な要因を知ることができる。ラダリング調査法では、まず、それぞれの商品属性について、それを重視する理由を記述する。続いて「その理由を重視する理由」を記述し、さらに「その理由を重視する理由」を…と重視する理由が答えられなくなるまで記述する。
- 得られた文章データ(定型自由文)に対してテキストマイニングを適用する。まず、データファイルを作成する。(c)全文章データを形態素に分解し、(d)形容詞、動詞、名詞などキーワードになりやすい品詞の中から出現数の多い語を抽出する。さらに単独では意味のとりづらい語を除いてキーワードを決定する。(e)各文章におけるキーワードの有無を二値で表す数値データに変換し、各文章とキーワードとの関連づけを行う。
- 作成したデータファイルから、(f)各商品属性とそれを重視する理由として記述されたキーワードとの関係をクロス集計やコレスポンデンス分析によって明らかにする。これにより、各商品属性を重視する理由として特徴的なキーワードを把握する。
- (g)各商品属性についてキーワードの出現した文章に目を通す。キーワードを切り口として記述内容を確認し、購買行動の背景にある消費者のニーズを読み取る。
- このように多数の消費者を対象としながら、選択肢式の質問紙調査や非定型の自由記述文では把握が困難であった農産物購買行動の背景にある消費者ニーズを明らかにすることができる。本手法を米購買に適用した事例では、「県内産地の米である」を重視する背景には安心感と県内農業振興への貢献が、「さめてもおいしい」には弁当への利用と調理時間の節約および味へのこだわりがあることがわかる(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 定型自由文を用いたラダリング法に基づく郵送調査とテキストマイニングによる分析をパッケージにした手法を新たに開発した。これまで面接調査で行われていた消費者の価値意識やニーズの解明を、多数を対象に数量的に分析したい場合に活用できる。
- 手順の詳細はマニュアル(中央農研、東北農研のホームページで公開)を参照。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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