地域バイオマス資源を利用した成分調整ペレット堆肥

タイトル 地域バイオマス資源を利用した成分調整ペレット堆肥
担当機関 山形農総研
研究期間 2006~2008
研究担当者 森岡幹夫
齋藤 寛
熊谷勝巳 
発行年度 2008
要約 家畜ふん堆肥を主原料として、地域で入手できるバイオマス資源を所定の割合で混合して、窒素2.5~3.6%、リン酸2.5~6.0%、加里2.2~3.6%に調整した成分調整ペレット堆肥の窒素肥効率は30~50%程度であり、市販されている有機質肥料と同様に使用することが可能である。
背景・ねらい 山形県では、現在利用されている家畜ふん堆肥は、成分や形態が多様であり利用しにくいことや散布コストなどが課題となっている。また、堆肥を連用した場合リン酸や加里などが過剰に蓄積している事例がみられる。そこで、地域バイオマス資源を利用して、有機質肥料としての新たな付加価値を有する成分調整ペレット堆肥を作製し、窒素肥効特性と栽培適性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 家畜ふん堆肥を主原料として地域で入手できるバイオマス資源を混合して作製したペレット堆肥は、原料となる資材の成分率と混合割合で窒素2.5~3.6%、リン酸2.5~6.0%、加里2.2~3.6%に調整することができ、窒素肥効率は30~50%程度である(表1、2)。窒素肥効率は原料となる資材の窒素肥効率から推測できる。また、6か月間保存しても成分の変化が少ない。
  2. 大豆かすや魚かすを混合した高窒素タイプ(ペレットA、B)は、100%代替可能で有機栽培など無化学肥料栽培に利用できる。大豆かすや魚かすを混合しない低コストタイプ(ペレットC)は、窒素単肥と併用して特別栽培等に利用でき、慣行区と同等の収量品質が得られる(表3)。また、連用してもリン酸や加里など過剰に蓄積しにくい(表4)。
  3. 成分調整ペレット堆肥の生産コストは、窒素源となる大豆かす、魚かすを混合した場合は、原料費でkgあたり28円程度であり、大豆かすや魚かすを混合しない場合は窒素肥効率が低下するがkgあたり14円程度と低コストで生産できる。ネギ栽培でペレット堆肥Cを利用した場合の施肥コストは、特別栽培を行った現地慣行区と同程度である。
成果の活用面・留意点
  1. 上記成分調整ペレット堆肥は、資材混合後2次発酵してペレット成型した特殊肥料であるが、窒素肥効率を考慮して有機質肥料と同じように利用することを目的とし、窒素肥効を高めるために戻し堆肥やゼオライトを利用している。
  2. ペレット堆肥Aは、容積比で牛ふん堆肥48%、鶏ふん堆肥17%、大豆かす10%、米ぬか7%、ナタネ油かす7%、くん炭7%、ゼオライト4%を混合して作製した。ペレット堆肥Bは容積比で豚ぷん堆肥46%、鶏ふん堆肥19%、魚かす8%、米ぬか8%、ナタネ油かす7%、くん炭7%、ゼオライト5%を混合して作製した。ペレット堆肥Cは表2に示す割合で牛ふん堆肥、豚ぷん堆肥、鶏ふん堆肥、米ぬか、くん炭、ゼオライトを混合して作製した。
  3. 本試験では、ツインダイス式ペレット成型機(K社製)を使用し、ペレット堆肥の形状は、直径6mm、長さ10mm程度で、水分10%以下に調整して使用した。
図表1 232854-1.png
図表2 232854-2.png
図表3 232854-3.png
図表4 232854-4.png
カテゴリ 有機栽培 土づくり 肥料 コスト 施肥 大豆 低コスト なたね ねぎ

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