育苗期防除とオリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤の半量施用体系でいもち病と紋枯病を防除できる

タイトル 育苗期防除とオリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤の半量施用体系でいもち病と紋枯病を防除できる
担当機関 秋田農技セ農試
研究期間 2004~2008
研究担当者 高橋良知(北秋田地域振興局農林部普及指導課
深谷富夫
藤井直哉
病害虫防除所
発行年度 2008
要約 苗いもちへの育苗期防除とオリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤の通常量の半量(1箱当た>り25g)施用の体系は、葉いもちの発生が少なく、穂いもちの防除を削減でき、紋枯病にも通常施用量と同等の防除効果を示す。
キーワード いもち病、紋枯病、オリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤、半量施用、育苗期防除
背景・ねらい 近年、圃場の大区画化にともない、いもち病防除に箱施用剤の利用が拡大している。オリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤はいもち病だけでなく紋枯病に対しても効果が高く、省力的な薬剤であるが、コストが高く生産者の経済的負担が大きい。そこで、本剤の施用量を通常量の半量(25g/箱)に減じ、この半量施用の現地圃場(約1~7ha規模)での実用性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 苗いもちへの育苗期防除を行った後、オリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤を通常量の半量(25g/箱)施用する体系では、葉いもちの発生が少なく、穂いもち防除を削減できる(表1、表2)。
  2. オリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤の通常量の半量(25g/箱)施用区では、無防除区に比べ紋枯病の発生が少なく(表2)、同剤の通常量(50g/箱)と同等の防除効果がある(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. いもち病、紋枯病中発生条件下での実証である。
  2. オリサストロビン・クロチアニジン箱粒剤の使用時期は移植3日前~移植当日である。
  3. 罹病苗の本田への持ち込みを防ぐために、効果の高い育苗期防除剤と組み合わせて使用する。
  4. 育苗期防除はジクロシメット顆粒水和剤1,500倍(登録は200倍)液を500ml/箱かん注するか、カルプロパミド箱粒剤を10g/箱(登録は50g)施用する。しかし、MBI-D剤に対する耐性菌が確認されている場合には、ベノミル水和剤500倍液を500ml/箱あるいは同剤1,000倍液を1,000ml/箱かん注する。
  5. オリサストロビン剤はいもち病の耐性菌対策のため、採種圃では使用しない。また、耐性菌対策と育苗期防除の効果を安定させるために、必ず種子更新し、適切な処理温度・時間濃度で化学合成農薬による種子種毒を行う。
  6. 半量施用では薬剤が均一に散布されないことがあるので,丁寧に散布する。
  7. 本実証で用いた剤は、殺虫成分を含む混合剤であるが、半量施用であっても初期害虫に対して要防除水準以下に抑える防除効果がある(表3)。
図表1 232892-1.png
図表2 232892-2.png
図表3 232892-3.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 いもち病 害虫 コスト 耐性菌 農薬 防除 薬剤

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