タイトル |
高能率で高精度なエダマメ選別装置 |
担当機関 |
弘前大学 |
研究期間 |
2005~2008 |
研究担当者 |
後藤恒義
大泉隆弘
張樹槐(弘大)
田村晃
片平光彦
|
発行年度 |
2008 |
要約 |
エダマメ選別装置は、整列搬送機構と搬送ライン、光電センサで熟度情報を取得する形状検出部、莢の病虫害による傷害情報を取得する反射光検出部、情報処理装置、選別機構で構成される。作業能率は42~61kg/h、選別に成功する割合を示す選別精度が69~80%である。
|
キーワード |
エダマメ、整列搬送機構、光電センサ、選別装置
|
背景・ねらい |
エダマメ調製作業では、脱莢と粗選別後に人手で行われる精選別の処理量が1 時間あたり12kg(作業時間換算:10aあたり48時間)と少なく、機械化による作業の効率化が不可欠である。そこで、エダマメ莢の選別を効率化するため、莢に発生する主要な傷害の検出と子実熟度の検出方法、検出情報を基に選別する手順を確立し、高能率で高精度な選別装置を開発する。
|
成果の内容・特徴 |
- エダマメ選別装置は、莢の向きを揃える整列搬送機構、莢を検出部に誘導する4条の搬送ライン、子実の熟度(充実具合)を光電センサで検出する形状検出部、莢の病虫害による傷害を検出する反射光検出部、検出情報を分析する情報処理部、良品と不良品に分類する選別機構で構成する(図1)。
- エダマメ莢の整列搬送は、莢を搬送ラインに均等投入するロール式均分化機構、莢の向きをベルトコンベアの進行方向と同じく揃えるための回転式姿勢調整機構、莢の引き離しを行うベルトコンベアの二段配置、ガイドレールで構成する(図1、2)。
- 子実熟度の検出は、エダマメ莢が搬送用ガイドレールに設置する一対の光電センサ間(光電エリア)を通過する際に行う。光電センサは、エダマメ莢の莢部と子実部の厚さが基準とする検出レベルに到達することで光電エリアが遮断され、遮断による電圧の変化を2.5ミリ秒(ms:1/1000秒)の間隔で計測し、エダマメ莢の外形情報を取得する(図1、3)。
- エダマメ莢の選別は、各検出部で得られた情報を基に病害莢、1粒莢、未熟莢、子実の1粒欠損莢などの不良品莢、子実数が2粒以上の良品莢に分類する(図1)。
- エダマメ選別装置の作業能率は、手選別の3.5~5.1倍、粗選別機の1.3~1.8倍に相当する42~61kg/時間である(表1)。
- 選別に成功する割合を示す選別精度は、手選別と同等の69~80%である。選別精度の内訳は、全良品莢の76~77%に対して選別が成功し、全不良品莢の53~90%に対して選別が成功する(表1)。
|
成果の活用面・留意点 |
- エダマメ選別装置は、動作のチェックとエダマメ莢の供給・搬出を行うため、作業人員が1名必要である。
- エダマメ選別装置は、エダマメ莢の選別ラインを6条まで増加できる。
- エダマメ莢の供給は、市販のエダマメ供給ホッパ(M社、GSH-1型)の利用が有効である。
- エダマメ莢変色部の大きさと莢の厚さのしきい値は、選別装置に付属する操作盤で任意に設定できる。
- 選別装置の動作には、AC100V電源が必要である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
病害虫
えだまめ
機械化
|