高能率なエダマメコンバイン

タイトル 高能率なエダマメコンバイン
担当機関 山形農総研セ
研究期間 2005~2008
研究担当者 後藤克典
高橋哲史
遠藤宏幸
山川淳
発行年度 2008
要約 エダマメコンバインは、ほ場内でエダマメ株の刈り取りと脱莢を行う自走式の作業機である。開発機は上下一対の櫛形でエダマメ莢をもぎ取るため、分枝の多い品種でも脱莢率が高く、機械的損傷が少ない。作業能率は1.9~3.7h/10aで、慣行と比較して69~84%の省力化になる。
キーワード エダマメ、収穫、コンバイン、省力化
背景・ねらい エダマメは、土地利用型園芸作物として注目され、山形県では急速に面積が拡大している。夏期の気温が高い条件下では鮮度が急速に低下するため、収穫後、速やかに冷却する必要がある。しかし、収穫・調製作業には多大な労働時間がかかり、規模拡大と鮮度維持の妨げとなっている。そこで、高能率な収穫機を開発し、エダマメ収穫作業の省力・軽労化を目指す。
成果の内容・特徴
  1. エダマメコンバイン(以下、開発機)は、オペレータ1名が乗車し、ほ場内で収穫・脱莢を行う自走式の作業機である。開発機は、エダマメ株を回転刃で地際から刈り取り、それを突起付ベルトとフィードチェーンで機体中央部の脱莢部へ搬送する。そこで脱莢部は枝から莢をもぎ取り、その莢を機体後部に備えたコンテナへ収納する(図1、表1)。
  2. 開発した脱莢部は、上下一対の櫛形ゴムの間にエダマメ株を挿入し、櫛形ゴムを回転させることで莢を枝からもぎ取る。上部と下部の櫛形ゴムの先端は、重なるように配置されており、莢に当たる衝撃は上部ゴムの反り返りで吸収され、その反り返りを下部ゴムで支え、ゴムの反発力で枝と枝との隙間に挟まれた莢をもぎ取る(図2)。
  3. 開発機の脱莢率は、分枝数が中程度の品種(平均4.3本)では97.1%と高い。分枝数が多い品種(平均6.5本)においても、脱莢率は既存機構の79.0%に対して開発機では93.1%と高い。また、脱莢率の低下は、脱莢部へのエダマメ株の供給タイミングを2秒/株から1秒/株に速めた場合でも、既存機構の8.9%に対して開発機は4.7%と小さく、高速での作業に適する。
  4. 開発機の落下ロスは平均11.6%であり定置式の自動脱莢機と同等である。機械的損傷率は3.0~5.6%で、自動脱莢機に対して25.3~60.0%に軽減される(表2)。
  5. 開発機の作業速度は0.1~0.20m/sで、作業能率は1.9~3.7h/10aである。慣行の収穫脱莢作業と比較すると68.6~83.8%の省力化が図られる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 開発機は、メーカーと共同開発したプロトタイプである。
  2. 条間75cm以上で1畝1列植えのエダマメに対応する。
  3. 雨天時の作業では、落下ロスが約7%増加する。
  4. 脱莢部の構造は、2008年3月に特許出願している。「脱莢装置」特願2008-81676
図表1 232913-1.gif
図表2 232913-2.png
図表3 232913-3.gif
図表4 232913-4.png
カテゴリ えだまめ 規模拡大 軽労化 収穫機 省力化 品種

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