花の香りを有する緑茶・半発酵茶に適した新品種‘そうふう’

タイトル 花の香りを有する緑茶・半発酵茶に適した新品種‘そうふう’
担当機関 (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 1977~2005
研究担当者 近藤貞昭
根角厚司
池田奈実子
田中淳一
武田善行
武弓利雄
山口 聰
発行年度 2001
要約 ‘そうふう’は花香を有し、新香味緑茶および半発酵茶に適する新品種である。早生であるため晩霜害の少ない温暖地・暖地が適地である。夏茶はやや渋みが強いため、一番茶を緑茶、夏茶を半発酵茶とするのが望ましい。
キーワード 半発酵茶、緑茶、早生、花香、新香味茶
背景・ねらい わが国は中生品種の‘やぶきた’一品種が全茶園面積の約76%を占めており、摘採期の集中が問題となっている。また、近年の食の多様化とともに茶飲料に対する嗜好も変化してきており、従来の緑茶にない香味をもった品種の出現が期待されている。そこで、早生で従来の緑茶品種にない香味を有した品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. ‘そうふう’は1977年に茶業試験場栽培部(現:野菜茶業研究所・茶業研究部)において‘やぶきた’を種子親、‘静印雑131’を花粉親とした組み合わせから選抜した系統である。1991年から系統適応性検定試験及び特性検定試験を実施し、特に品質、収量性、耐病性等の栽培特性が優れている。
  2. 温暖地、暖地では‘やぶきた’より全国平均で萌芽期が6日、摘採期が4日程早い早生である。樹姿はやや開張型、挿木発根性は良好である。幼木期の生育は優れるが、成園での収量は‘やぶきた’とほぼ同程度である(表1、2)。
  3. 耐病性については輪斑病には強、炭疽病、赤葉枯病にはやや強で‘やぶきた’より優れる。もち病には中、赤焼病には弱である(表3)。
  4. 耐寒性について赤枯抵抗性は‘やぶきた’と同程度のやや強であるが、青枯抵抗性、裂傷型凍害 抵抗性は、‘やぶきた’よりも弱く、やや弱である(表4)。
  5. 緑茶品質はやや渋みが強いが、これまでにない甘い花香様の香味がある(表5)。また、半発酵茶として高品質で、特に香気に優れる(表6)。一番茶を緑茶、夏茶を半発酵茶にすることで、より特性を生かすことができる。
成果の活用面・留意点
  1. 早生であるため晩霜害を受けやすく、青枯抵抗性が弱いため、寒冷地での栽培には適さない。
  2. 半発酵茶の製造は揉捻機と水乾機があれば可能であるが、各工程の処理時間は摘採時期や気象条件によってかなり変化する。
図表1 232919-1.gif
図表2 232919-2.gif
図表3 232919-3.gif
図表4 232919-4.gif
図表5 232919-5.gif
図表6 232919-6.gif
図表7 232919-7.gif
図表8 232919-8.gif
カテゴリ 新品種 耐寒性 炭疽病 抵抗性 凍害 品種

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