小胞子からの植物体再分化能が高い‘はくさい中間母本農7号’

タイトル 小胞子からの植物体再分化能が高い‘はくさい中間母本農7号’
担当機関 (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 1990~2001
研究担当者 釘貫靖久
吉川宏昭
由比 進
飛騨健一
西畑秀次
塚崎 光
中村幸司
鈴木 徹
発行年度 2001
要約 ‘はくさい中間母本農7号’は、小胞子からの植物体再分化能が高く、しかも再分化個体には高頻度で半数体倍加個体が含まれる。本系統を片親に用いた交雑後代を小胞子培養することにより、短期間に日本型ハクサイの遺伝的固定化を図ることができる。
キーワード 小胞子培養、植物体再分化能、半数体倍加個体、遺伝的固定、ハクサイ
背景・ねらい ハクサイF1品種の親系統には、自殖を繰り返すことにより遺伝的に固定した純系が用いられるが、純系の育成には長年月を要する。一方、葯・小胞子(未成熟花粉)培養を利用して半数体を作出し、その染色体数を倍加すれば短期間で純系を育成することが可能である。しかし、日本型ハクサイでは、小胞子からの植物体再分化率が低く、純系育成への葯・小胞子培養の適用を困難にしている。野菜茶業研究所では、南方型品種の‘Homei’が高い再分化能を有することを見いだしたので、‘Homei’の有する小胞子からの高植物体再分化能を持つ日本型ハクサイを育成する。
成果の内容・特徴
  1. ‘Homei’と‘野崎2号’との交雑F1について、小胞子からの再分化能の選抜と選抜個体への実用品種の交雑を繰り返して育成された‘はくさい中間母本農7号’(図1)は、再分化能が素材親系統‘Homei’と同等以上で、小胞子1×105個当たり60の植物体を再生し、アブラナ科野菜で最も高い再分化能を示す系統の一つである(表1)。
  2. ‘はくさい中間母本農7号’と低再分化能日本型ハクサイ品種‘無双’の雑種が両親の中間の再分化能を示すことから、‘はくさい中間母本農7号’の持つ高再分化能は遺伝形質である(表1)。
  3. 小胞子由来の再分化植物での自然倍加率が高く、高頻度で半数体倍加個体が得られる(表2)。
  4. ‘はくさい中間母本農7号’は、高再分化能の素材親系統‘Homei’と比較して、日本型ハクサイの形質を有するが、収穫期が遅い、結球部が細い、抽だいが早いなどの点で市販F1品種よりも劣る(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. ‘はくさい中間母本農7号’と有用形質を持つ品種・系統との交雑後代を小胞子培養することにより、遺伝的に固定したF1親系統が短期間で育成できる。
  2. ‘はくさい中間母本農7号’の維持・増殖は、蕾受粉等を利用した強制自殖により行う。
図表1 232922-1.gif
図表2 232922-2.jpg
図表3 232922-3.gif
図表4 232922-4.gif
図表5 232922-5.gif
図表6 232922-6.jpg
カテゴリ あぶらな 受粉 はくさい 品種

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