タイトル | 不鮮明なRAPDバンドを鮮明なバンドに変換するe-RAPD法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2002~2006 |
研究担当者 |
谷口郁也 田中淳一 |
発行年度 | 2002 |
要約 | オリジナルのプライマーの3’末端にそれぞれA、T、GおよびCを付加したプライマー4種類を新たに合成し、組み合わせて使用することにより、DNAマーカーの一種であるRAPDバンドをSTS化せずともより鮮明で信頼性の高いe-RAPD(emphasized-RAPD)に変換することができる。 |
キーワード | e-RAPD、emphasized-RAPD、RAPD、DNAマーカー、STS化 |
背景・ねらい | DNAマーカーの一種であるRAPD(random amplified polymorphic DNA)は、連鎖地図の作成やQTL解析等の遺伝解析、親子鑑定、遺伝的多様性の評価等に広く利用されてきた。チャにおいても多くのRAPDが開発され、連鎖地図の作成等に利用されてきた。しかし、不鮮明なRAPDバンドは再現性や信頼性が低い問題があった。オリジナルのプライマーの3’末端にそれぞれA、T、GおよびCを付加したプライマー4種類を新たに合成して組合せて使用することにより、バックグラウンドとなるバンドを消去し、不鮮明なRAPDバンドを鮮明で信頼性の高いバンドに効率よく変換する技術を開発し、チャでの利用を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. オリジナルのプライマーの3’末端にそれぞれA、T、GおよびCを付加したプライマー4種類を新たに合成する。次にそれらのプライマー単独(4種類)、およびこのうち2プライマーの混合(6組合せ)を用いてオリジナルのプライマーとともにPCRを行う。そしてそれら産物を同時に泳動し、解析する。オリジナルのプライマーによって得られるバンドが、他のプライマーやその組合せで増幅されることが確認できる(図1)。 2. バックグラウンドであったバンドが消去されるとともに、オリジナルのRAPDバンドに比べてターゲットのバンドはより鮮明になる(図2)。 3. STS化に比べて多型を喪失する危険性が小さい。 4. プライマー合成の後はPCRと泳動のみの作業であり、複雑な工程を必要とせず数時間で作業が完了する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 育種現場における実用的なMAS(marker-assisted selection)のためのマーカー開発に有効である。 2. マイナーなRAPDバンドのSTS化に有効である(図3)。 3. プライマーの品質がRAPDのバンドパターンに重大な影響を与える場合がある。このため、プライマーの精製グレード等の品質に注意を要する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 育種 DNAマーカー |