タイトル | DNAマ−カ−によるイチゴの品種識別技術 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2001~2001 |
研究担当者 |
國久美由紀 松元哲 吹野伸子 |
発行年度 | 2002 |
要約 | イチゴの品種間で異なった配列を持つ複数のDNA部位に着目し、これらの配列をDNAマーカーとして検出することにより、国内で流通している主要な品種を識別することができる。 |
キーワード | イチゴ、育成者権、偽装表示、DNAマーカー、多型、品種識別 |
背景・ねらい | イチゴの品種名は消費者によく知られており、大きさや鮮度とともに購買動機の一つとなっている。そのため「さちのか」等の人気品種は、育成者権を侵害した国内外での無断栽培や、店頭での品種偽装表示の対象とされる問題が発生している。そこでイチゴのDNAを解析することにより、外観による識別よりも正確な品種識別技術を確立し、育成者権の保護と偽装表示防止の一助とする。 |
成果の内容・特徴 | 1) イチゴの品種間で異なるDNA配列を持つ多型部位5箇所(APX-MluIA、APX-MluIB、CHI-PvuII、F3H-NcoI、F3H-HpaII)をターゲットとする(図1:F3H- HpaII部位)。 2) 品種の識別手順は以下の通りである。 ・果実よりDNAを抽出する。 ・PCR法によりDNA部位を増幅する。 ・制限酵素で増幅DNAの切断処理を行う。 ・アガロースゲル電気泳動により多型を検出する(図2)。 3) 最低5つのDNAマーカーを併用することにより、「章姫」と「けいきわせ」を除く12品種の識別が可能である(図3)。 4) 果実から識別までの所要時間(10~20サンプルの場合)は8時間程度である。 |
成果の活用面・留意点 | 1) 分析対象のイチゴ品種が上記12品種のいずれかである場合に、品種の特定が可能である。 2) 新たな品種を分析する場合、それに対応したマーカーの開発が必要である。 3) 本法の商業的使用に当たっては、PCR法の特許許諾を得る必要がある。 4) 本法によるイチゴの品種識別は、日本食品分析センターで受注している。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | いちご DNAマーカー 品種 |