タイトル | ネギのマイクロサテライトマーカー |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
若生忠幸 Song Yeon-Sang 諏訪部圭太 小原隆由 布目司 塚崎光 小島昭夫 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ネギのゲノミックDNAライブラリーよりマイクロサテライト領域を含むクローンを単離し、PCRにより増幅できる53個のマーカーを開発した。これらのマーカーの多くは共優性であり、ネギ品種間の多型性も高く、汎用性の高いDNAマーカーとして利用できる。 |
キーワード | ネギ、マイクロサテライトマーカー、共優性、PCR |
背景・ねらい | 近年、多数の植物種においてDNAマーカーの開発が進み、育種の選抜技術やゲノム解析のために活用されている。特にマイクロサテライトマーカーなどPCRを用いて多型を検出できる共優性マーカーは、遺伝解析の道具として極めて有用である。しかし、ネギにおいてはDNAマーカーの開発や連鎖地図を用いた遺伝解析はほとんど行われていない。そこで、連鎖地図の作製や品種の純度検定などに用いることができる共優性マーカーとして、マイクロサテライトマーカーを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ネギ(Allium fistulosum )‘九条太’のゲノミックDNAライブラリーから、マイクロサテライト領域を含むクローンを選抜し、その塩基配列情報から、PCRにより増幅できる53個のマーカーを開発した。そのうち35個ではネギ9品種・系統間で多型が認められる(図1)。 2. 作成したマイクロサテライトマーカーは、その約7割が近縁種(A. cepa, A. altaicum, A. roylei )でもPCR増幅が確認できる汎用性の高いマーカーである(表1)。 3. ネギ自殖系統間で多型が認められたマーカーについて、これらを両親とする分離集団(BC1,F2集団)におけるマーカー型の分離は、単一遺伝子座における共優性マーカーとしての期待値に適合する(図2,表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 多型性が高く、かつ共優性のDNAマーカーであるため、分離集団における遺伝解析やF1品種などの純度検定などに、汎用性の高いDNAマーカーとして用いることができる。 2. タマネギなどの他のネギ属植物にも用いることができ、マイクロサテライトマーカーをアンカーとした連鎖群の対応付けが可能となる。 3. 正確な遺伝子型の判定には、ポリアクリルアミド電気泳動もしくはDNAシーケンサーを用いることが望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育種 たまねぎ DNAマーカー ねぎ 品種 |