タイトル | 品種識別のためのDNAの簡易、迅速、安価、多検体抽出法 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
松元 哲 吹野伸子 藤村みゆき 國久美由紀 |
発行年度 | 2004 |
要約 | イチゴ等の野菜、緑茶、冷凍エダマメからグラスファイバーを装着した96ウェルプレートを用いて3時間以内に192検体のDNAが安価に抽出できる。抽出したDNAは品種識別に使用可能である。 |
キーワード | イチゴ、緑茶、DNA抽出、品種識別、グラスファイバー |
背景・ねらい | 育成者権の保護や偽装表示防止のために、DNAマーカーを用いた品種識別技術が実用化されているが、DNAの抽出については簡易、迅速、安価で多検体の処理が求められている。特にイチゴの葉、ガク、果実のように多糖類が多く含まれている場合、CTAB法など汎用されている方法ではDNA抽出が困難であり、抽出操作やコスト面から改善すべき点が多い。そこでDNAを吸着できるグラスファイバーが付いた96ウェルプレートを用いて、DNA抽出の効率化を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 192(96ウェルプレート2枚分)検体の粉砕からDNA抽出までの所要時間は、3時間以内である(図1、図2)。1検体あたりの抽出に要する試薬コストは約50円であり、市販品の1/5から1/10である。また本抽出法はフェノールやクロロホルムを使用しない。 2. 20~40mgのイチゴ成葉、ガクと100mgのイチゴ果肉から、イチゴの成葉では0.7μg、ガク0.4μg、果肉0.1μg程度のDNAが抽出可能である(表1)。また仕上げ加工した緑茶や調理した冷凍エダマメからもDNAが抽出できる(表1)。 3. イチゴ成葉、ガク、果肉から本方法により抽出したDNAをPCRの鋳型に用いてイチゴ品種識別用DNAマーカーの増幅が可能である(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. DNA抽出量は、試料の状態、量、粉砕の程度によって大きく異なる。 2. 80%エタノール洗浄後は、96ウェルプレートのウェル内にエタノールが残存しないようにする。 3. 抽出したDNAを長期に保存するときには、エタノール沈殿など再精製を行うことが望ましい。 4. 詳細なマニュアルの作成を行い、ホームページ等で公開予定である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | いちご えだまめ 加工 コスト 茶 DNAマーカー 品種 |