単為結果性の品種「あのみのり」

タイトル 単為結果性の品種「あのみのり」
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 1994~2005
研究担当者 齊藤猛雄
吉田建実
門馬信二
松永 啓
佐藤隆徳
斎藤 新
山田朋宏
発行年度 2005
要約 「あのみのり」は高い単為結果性を有するため、低温期に着果促進処理を行わなくても果実は正常に肥大する。果実は長卵形で果皮の光沢に優れ、果実外観は良好である。
キーワード ナス、単為結果性、省力適性
背景・ねらい 低温期のナス栽培においては、着果および果実の肥大安定化のために着果促進剤処理や訪花昆虫が利用されている。しかしながら、着果促進剤処理に要する労力は栽培に要する全労働時間の約1/4~1/3を占めるほか、訪花昆虫利用は花粉形成に必要な最低温度の確保が前提であるとともに、セイヨウオオマルハナバチ等の広く使われる外来種は生態系への影響も懸念されている。これらの問題を解決するために、着果促進処理を必要としない単為結果性品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「あのみのり」は、イタリアから導入したナス品種「Talina」を単為結果性の育種素材として国内品種の「中生真黒」や「なす中間母本農1号」と交配した後代から選抜した「AE-P08」を種子親、「AE-P01」を花粉親とした一代雑種である(図1)。
  2. 「あのみのり」は高い単為結果性を有するため(表1)、低温期に着果促進処理を行わなくても果実は正常に肥大する(表2)。
  3. 「あのみのり」の果実は長卵形で、1果重はやや重く、果皮の光沢に優れ、果実外観は良好である(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 着果促進処理が不要なため、栽培の省力化が可能である。
  2. 側枝の伸長がゆるやかであるため、整枝の省力化が可能である。
  3. 食味を含む果実品質は一般的な市販品種と同等以上である。
  4. 関東以北の半促成栽培や露地栽培地域に適する。
  5. 温暖地における促成栽培も可能であるが、着果促進処理する市販品種よりも収量が低いことがある。
図表1 233077-1.gif
図表2 233077-2.jpg
図表3 233077-3.gif
図表4 233077-4.gif
カテゴリ 育種 省力化 単為結果 なす 品種 マルハナバチ 良食味

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