タイトル | 収穫後の野菜に対する紫外線照射処理効果 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
浦上敦子 佐藤文生 東尾久雄 徳田進一 廣兼久子 |
発行年度 | 2005 |
要約 | UV-A領域の紫外線を照射すると、収穫後のイチゴ果実の着色が促進され、休眠覚醒期のカットタマネギに含まれるケルセチン含量が増加する。また、UV-B領域の紫外線を照射すると、葉ネギのアスコルビン酸含量が増加する。 |
キーワード | 紫外線、イチゴ、タマネギ、葉ネギ、成分 |
背景・ねらい | イチゴ果実に含まれるアントシアニン、タマネギ鱗茎のケルセチン、葉ネギのアスコルビン酸などの成分は各種の生理機能を有している。そこで、これらの機能性成分の含量増加を目標に、植物が紫外線に対して示す生理反応を積極的に活用する紫外線処理技術を開発するため、収穫後のこれら野菜に含まれる成分含量に及ぼす紫外線の処理効果を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. イチゴ果実の着色はブラックライト蛍光ランプによるUV-A領域の紫外線照射により促進される(図1、図2)。 2. タマネギを剥皮し、薄くスライスした状態でUV-A領域の紫外線を照射すると、タマネギに多く含まれるケルセチンの含量が増加する。その効果は休眠覚醒期で高い(図3)。 3. 健康線用蛍光ランプによるUV-B領域の紫外線を短時間照射することで、葉ネギのアスコルビン酸含量を高めることができる(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 紫外線照射によるイチゴ果実の着色促進効果は着色し始めた果実熟度で大きく、照射時間の長いほど着色が促進される。照射時の室温が10℃と低くても紫外線の照射は有効で、処理後に果実が常温に戻されると果実の着色は促進される。ただし、紫外線照射でイチゴ果実は果肉が硬いままで着色が促進されるが、糖度や酸度には影響を与えない。また、品種間における紫外線処理による着色促進効果に明確な差は認められない。 2. 紫外線を過剰に照射すると障害が発生するため、最適な照射条件は個別具体的に検討する必要がある。 |
図表1 | |
カテゴリ | いちご 機能性成分 たまねぎ 着色促進 ねぎ 品種 |