牧之原赤黄色茶園土壌の細菌相

タイトル 牧之原赤黄色茶園土壌の細菌相
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 渡部育夫
谷口郁也
野中邦彦
発行年度 2008
要約 変性剤濃度勾配電気泳動法で把握した牧之原赤黄色強酸性茶園土壌の細菌相は、施肥位置である茶園の畝間が株下に比較して単純である。また、本茶園土壌はγ-プロテオバクテリア、アシッドバクテリアが60%近くを占め、他作物の栽培土壌とは異なる特徴を示す。
キーワード 強酸性茶園土壌、土壌細菌相、クローンライブラリー、PCR-DGGE法
背景・ねらい 茶園土壌は長年の多施肥により強酸性を示し、理化学性が劣化していることが明らかにされているが、物質循環に関わる微生物性については糸状菌寡占の状態であることが報告されているのみで、未知の部分が多い。また、従来用いられてきた培養法では、最近門が創設されたアシッドバクテリアは検出が困難である。そこで、分子微生物生態学の手法を用いて、強酸性茶園土壌の細菌相の特徴を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ポリメラーゼ連鎖反応-変性剤濃度勾配電気泳動法(PCR-DGGE法)による解析では、牧之原赤黄色茶園土壌の細菌種を表すバンドは施肥位置である畝間(10~20cm、pH3.7)で少なく、株下(10~20cm、pH4.7)で多い(図1)。
  2. 牧之原赤黄色茶園土壌( 株下、10~20cm、pH5.0)からクローンライブラリーを構築し、クローニングされた細菌120クローンについて16S rDNAの塩基配列をデータベース(RDP2)と照合すると、γ-プロテオバクテリア 30%、アシッドバクテリア 29%、次いでα-プロテオバクテリア 18%、放線菌 10%である(図2)。
  3. 以上のように、牧之原赤黄色茶園土壌の細菌相にはγ-プロテオバクテリア、アシッドバクテリアが多く、α-及びβ-プロテオバクテリアが多い他作物栽培土壌(Appl.Environ.Microbiol.72.1719-1728.2006)とは異なる特徴を示す。
成果の活用面・留意点
  1. 茶園では畝間土壌の微生物相が単純化している。この知見は茶業分野では初見であるが、これに基づき、今後酸度改良や有機物の施用など茶園土壌の微生物性の改良法を検討する際の基礎資料として活用できる。
図表1 233153-1.gif
図表2 233153-2.gif
カテゴリ 施肥 データベース

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