タイトル |
良質水稲糯新準奨励品種「カグヤモチ」 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究期間 |
1987~1989 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 形態的特性
対象品種「わせとらもち」に比較して
- 稈長・穂長はやや長く、穂数は並で、草型は穂重型である。
- 稈はやや太く、やや剛で倒伏抵抗性は「わせとらもち」並の「やや強」である。
- 粒着密度は中位、一穂籾数はやや少ない。穂数は同程度であるので、平方メートル籾数
はやや少ない。
- 鮮やかな赤橙色のふ色をもち、ふ先色は褐色で、芒は無い。
- 止葉はやや長くやや斜立し、穂揃いはやや劣る。
- 生態的特性
対象品種「わせとらもち」に比較して
- 出穂期は並、成熟期は並かやや早めの早生種である。
- 障害型耐冷性は強に属する。
- いもち病の真性抵抗性はPi-aと推定され、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちとも
「わせとらもち」より強い「強」である。
- 穂発芽性は「わせとらもち」並の「易」である。
- 登熟が良好で、収量性は優る。
- 品質及び食味
- 玄米は「わせとらもち」並のやや小粒で、白度及び光沢が良く、品質は優る。
- 食味は、「わせとらもち」よりやや良好で、もち質は「わせとらもち」より優る。
表1. 水稲奨励品種決定調査 図1. 各展示圃の収量比 - 技術・情報の適用効果
「わせとらもち」に比較して、収量・品質とも優れ、かつ、もち質も優れることから、 県中北部の糯米の安定生産と品質向上を図る。
- 適用の範囲
県中北部、これまで「わせとらもち」が栽培されてきた地帯。ただし、高標高地は 除く。
- 普及指導上の留意点
- 穂数は「わせとらもち」並であるが、一穂籾数が少なく、籾数がとれがたい欠点がある
ことから、早期に茎数をとり穂数確保に留意する。
- 倒伏抵抗性は「わせとらもち」並の「やや強」であり、施肥量は「わせとらもち」並に
する。
- いもち耐病性は葉いもち、穂いもち病とも「わせとらもち」より強い「強」であるが、
発病には注意し、防除基準に従って適期防除につとめる。
- 穂発芽性は「わせとらもち」並の「易」なので、倒伏させないよう十分注意する。
- 登熟速度は早く、品質も優れるが、ふ色のため成熟期の判定を誤ることなく、刈遅れに
ならないよう注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
水稲
施肥
抵抗性
品種
防除
良食味
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