タイトル |
水稲糯品種「ヒメノモチ」の栄養診断にもとづく安定栽培法 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場県南分場 |
研究期間 |
1987~1989 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
「ヒメノモチ」の収量(600Kg/10a)と品質を安定させるための生育・栄養診断基準及び 栽培法を明らかにした。
- 期待生産量及び栄養診断基準の策定
- 収量構成要素の期待値
- 栄養診断基準
- 栽培法
- 施肥
- 基肥窒素はおおむね「キヨニシキ」並の4~6kg/10aとする。
- 追肥は減数分裂期追肥(N:2kg/10a)を重点とするが、地力の低い圃場や幼穂形成期の
葉色が診断基準を下回る場合は幼穂形成期追肥(N:1kg/10a)を組み合わせる。
- 刈取り適期
- 登熟積算温度(平均気温)による刈取り適期は、950~1,050度Cの範囲である。
- 枝梗及び籾の黄化割合で判定する場合は、いずれも80%程度からとする。
- 栄養診断技術
- 葉色による窒素濃度の推定
- 幼穂形成期の稲体基準窒素濃度に対応するSPAD葉緑素計値は39~43である。
- 6月下旬から穂孕期直前の稲体乾物重の推定式
- 乾物重[g/平方メートル]=(a×草丈[cm]×株周[cm]+b)×平方メートル株数[株]
但し、a=0.023、b=2.87
- 幼穂形成期から穂孕期直前ころまでの窒素吸収量の推定式
- 窒素吸収量[g/平方メートル]=(a×草丈[cm]×株周[cm]×葉色測定値[SPAD値]+b)
×平方メートル株数[株] 但し、a=1.49×10-5、b=-1.62×10-2 - 窒素吸収量[g/平方メートル]=(a×乾物重[g/平方メートル]×葉色測定値[SPAD値]+b)
×平方メートル株数[株] 但し、a=5.41×10-4、b=-2.038×10-2
図1. 平方メートル籾数と収量 図2. 平方メートル籾数と登熟歩合 図3. SPAD葉緑素計による窒素吸収量の推定 - 技術・情報の適用効果
普及地帯における収量の安定化と品質向上が図られる。
- 適用の範囲
岩手県内のヒメノモチ栽培地帯
- 普及指導上の留意点
- 穂数を確保しにくい品種のため、植付本数・栽植密度を落とさないこと。
- 幼穂形成期追肥は倒伏を助長する場合があるので生育量・葉色を十分考慮する。
- 穂発芽し易い品種なので、降雨の多い年は早めに刈り取り品質確保に努める。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
栄養診断
水稲
施肥
品種
品質確保
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