タイトル |
タバコ黄斑えそ病の防除対策 |
担当機関 |
宮城県農業センター |
研究期間 |
1988~1989 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- ジャガイモ畑からアブラムシ類が媒介する、ウィルス(PVY-T)により発病する
タバコ黄斑えそ病が近年急増し、たばこ栽培は危機に直面している。本病の防除対策 としては、現在は近接地でのジャガイモ栽培を行なわないこと以外に、決定的な 防除法は確立されていない。
- 本病の発病抑制に効果的と考えられる防除対策を組合せて(以下総合防除という)検討
した結果、かなりの防除効果が認められた。
- 効果のあった総合防除法は次のとおりである。
- 環境整備
たばことジャガイモ畑との隣接栽培を回避し、堀残しいも、捨ていもを完全除去 する。アブラムシ類の主寄主及び中間寄主の防除及び雑草防除を行う。
- アブラムシ類の薬剤防除
有翅アブラムシ類の飛来時期は、年次により異なるが5月第2~第3半旬から増加し、 飛来最盛期は6月第1~第2半旬頃なので、たばこ畑ではフィルム本切開を行う 5月第2半旬~6月第6半旬に3~4回周辺を含めて防除する。ジャガイモ畑では、 萠芽揃い期の4月下旬~5月初旬頃より、7月上旬まで4~5回防除する。
- アブラムシ類の飛来防止
たばこ畑の周囲特に、南側と東側には防虫ネットを張り、北側と西側には障壁作物を 作付けする。畑の中には忌避テープを設置、マルチ資材としてはシルバーフィルムを 使用する。また、近接地のジャガイモ畑は不織布で被覆する。
- 二次感染の防止
罹病株の早期発見と早期処分を行い、作業中の接触伝染を防止する。
図1. アブラムシ類防除対策によるタバコ黄斑えそ病の抑制 表1. 総合防除による収益増の試算 - 技術・情報の適用効果
- 本病の総合防除を実施することにより、高い抑制効果が認められ、収量の安定及び
品質が向上され、たばこ産地の安定化が図られる。
- 総合防除区の経済性を試算すると、慣行区に比べて平均の粗収益は136%となり、
10a当たり63,990円の増収となった。
- 適用の範囲
県内一円
- 普及指導上の留意点
- たばこ栽培農家とジャガイモ栽培農家との緊密なる連絡協調を図る。
- 共同防除の適期散布の励行と、薬剤の選定を十分考慮する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
たばこ
ばれいしょ
防除
薬剤
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