常温接種法による小麦の雪腐病抵抗性検定法

タイトル 常温接種法による小麦の雪腐病抵抗性検定法
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1987~1988
研究担当者
発行年度 1989
成果の内容・特徴
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    小麦の雪腐病抵抗性は接種後埋雪するか積雪下環境(低温・暗黒・多湿)を模した
    環境制御施設で長期間(1~3カ月)発病させて検定している。多大な時間と特別な
    施設・環境を要する。
    本法は病原菌の生育適温が10度C以上の高温域にあることに着目して、(1)競合微生物を
    排除するために減菌土壌を詰めた苗箱に播種、(2)戸外で生育・ハードニングさせ、
    (3)病原菌を人工接種後、(4)湿った脱脂綿で覆った上に別の苗箱をかぶせて湿度を
    保ち、(5)定温器(15度C前後に設定)に5~20日置いてから、(6)室温で3週間再生育
    させ、(7)生存株を調査する。
    定温器内での精置期間を3~5水準処理することによって、抵抗性を定量的に表示する
    LI50(50%個体が死亡する静置日数)が容易に求めることができる。
    図1. 接種温度と病原力の関係
    図2. 接種後静置日数(18度C)と品種間生存茎率の関係
    図3. 積雪下日数
    表1. 紅色雪腐病抵抗性に関する品種間変異
  2. 技術・情報の適用効果
    1. 接種後静置(発病)期間が大幅に短縮される。また0度C近い定温を保つための施設と
      費用が節減される。さらに生育とハードニングを人工気象室で実施すれば年間を
      通じて抵抗性検定が可能となる。
    2. LI50は品種・系統の抵抗性の程度を定量的に示すとともに
      (表1)、同一品種の抵抗性の時間的推移の解明
      及び発現・維持・消失機構の究明に役立つ(図2)。
  3. 適用の範囲
    麦類以外のイネ科牧草へも適用できる。雪腐大粒菌核病菌やLTBへの適応は難しい。
  4. 普及指導上の留意点
    LI50値は栽培条件(播種期・施肥量)や気象条件により変動し、また
    病原菌の種類や菌株間で異なることに注意する。

図表1 233190-1.gif
図表2 233190-2.gif
図表3 233190-3.gif
図表4 233190-4.gif
カテゴリ 環境制御 小麦 栽培条件 施肥 抵抗性 抵抗性検定 播種 品種

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