タイトル |
固形肥料の表層追肥が水稲の収量に及ぼす影響 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1987~1989 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 生育の特徴
穂分期から幼形期に固形肥料を表層追肥すると、追肥時期が遅れるほど草丈、稈長が 短くなり、茎数、穂数が減少する。 深層追肥と比較すると、一番遅い幼形期追肥でやや稈長は短めとなり、ほぼ同程度の 穂数となる。 一穂粒数は追肥時期が遅れるほど減少するので籾数も減少する。しかし深層追肥より 穂数が多いので幼形期追肥以外は籾数は多くなる。 登熟歩合も追肥時期が遅れるほど低下し、玄米千粒重は反対に重くなる傾向を示すが、 登熟歩合、玄米千粒重とも深層追肥より低くなる。 したがって、固形肥料の表層追肥時期が穂分期から遅れるほど収量は低下する傾向が 認められるが、穂分期から5日程度までは深層追肥並の収量である。 品質は、深層追肥より向上する傾向である。
- 養分吸収の特徴
固形肥料を表層追肥すると乾物重の増加が大きく、穂分期から穂揃期のC.G.R (期間ごとの平方メートル当たり1日の乾物増加量)が深層追肥よりも高い。追肥時期 でみると追肥が早いほどC.G.Rが高い傾向である。穂揃期から成熟期では、深層追肥と 同程度かやや低めのC.G.Rで推移する。 茎葉の窒素含有率は表層追肥後窒素の吸収速度が急激に高まるので、追肥時期が 早いほど高く推移するが、穂揃期以降では表層追肥時期に関係なく深層追肥よりも 低くなる。 したがって、固形肥料の表層追肥時期が早いほど窒素吸収量が多い傾向で推移 するが、穂揃期では表層追肥時期に関係なく深層追肥と同程度の窒素吸収量となり、 成熟期でも同様の傾向である。
- 技術・情報の適用効果
追肥作業の軽減と水稲の安定多収、品質向上
- 適用の範囲
山間、海岸冷涼地帯を除く県内全域
- 普及指導上の留意点
施肥量は深層追肥体系に準じる。また固形肥料の表層追肥は、水田の地表上に 条間点状に施肥する。 生育、養分吸収特性、収量及び品質から判断すると、固形肥料の表層追肥時期は、 穂分期から5日程度内を目安とする。 穂分期前の固形肥料の表層追肥は追肥後の養分吸収が著しく高まり穂数が多くなり、 稈長が長く倒伏する恐れがあるので行わない。 表1. 生育状況 図1. 収量構成要素 表2. C.G.Rの推移 表3. 窒素吸収速度
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
肥料
水田
水稲
施肥
|